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イスラエル軍:レバノン全土で空爆 攻撃、全土に拡大

 レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラによるイスラエル軍兵士拉致やロケット弾攻撃に報復するイスラエルは15日、レバノン南部を中心に4日連続の攻撃を行った。中東の衛星テレビ、アルジャジーラによると、イスラエルの軍事作戦による死者は100人を超えた。国境に通じる幹線道路のほか、レバノン第2の都市トリポリ、ベイルート中心部と港も爆撃されるなど攻撃はレバノン各地に広がっている。

レバノン南部のシドンで15日、イスラエル軍の攻撃を受けて燃え上がるガソリンスタンドと救助関係者
イスラエル軍の攻撃を受けて燃え上がるガソリンスタンドと救助関係者
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 ロイター通信によると、レバノン南部で15日、イスラエル軍のミサイルがトラックに命中し、少なくとも市民15人が死亡した。また東部のベカー高原でも、レバノン脱出を目指して多数の外国人が殺到する東部国境に近い幹線道路で、タクシーがミサイルの直撃を受け、数人が死亡した。
 ベカー高原からシリアに抜ける北東部国境への道路も破壊され、国外に通じる無傷の通路は、北西部キリスト教徒地区を通る2カ所だけになった。
 AP通信によると、米国とフランスの政府はレバノンに在留している自国民をキプロスに避難させる準備を進めている。イタリア人の多くは陸路でシリアに向かったという。
 イスラエル軍は道路や橋のほか、燃料施設などのインフラ破壊を続けており、ベイルート南郊の発電所も爆撃され、広い範囲で一時停電した。ヒズボラの勢力が強い南部各地では、ガソリンスタンドや燃料貯蔵施設が相次いで破壊された。イスラエル軍は、ヒズボラに拉致された2兵士の国外への移送を阻むと同時に、ヒズボラによるイスラエル領内への攻撃を防ごうとしている。
 ロイター通信は15日、イスラエル軍の発表として、12日の攻撃開始以降、レバノンの150の目標を攻撃したが、ヒズボラに直接関係する施設は十数カ所に過ぎない、と伝えた。

 一方、ヒズボラによる対イスラエル攻撃も激化。イスラエル放送などによると、同国北部のガリラヤ湖沿いにあるティベリアスで15日、ヒズボラがレバノン南部から放ったロケット弾がアパートやホテルなどに着弾し、数人が負傷した。イスラエル軍は住民に外出しないよう呼びかけ、旅行客には町を出るよう促した。北部の他の数カ所の町にもロケット弾が撃ち込まれた。

イスラエル:レバノン攻撃を拡大 陸海空から封鎖作戦

レバノンへの攻勢を強めるイスラエル軍は14日、前日に続き首都ベイルートの国際空港への空爆を実施した。同空港への空爆は3度目。また、イスラエル軍は隣国シリアの首都ダマスカスとベイルートを結ぶ主要道路を繰り返し爆撃するとともに、ベイルート沖の哨戒行動を強めるなど、レバノンを陸海空から封鎖する作戦を一層強化している。

イスラエル軍の空爆で破壊されたベイルートの建物の前で立ちつくす市民

 ヒズボラは、14日も引き続き多連装ロケット砲(通称カチューシャロケット)によるイスラエル北部への攻撃を続けた。ロイター通信によると過去2日間で130発以上のロケットが発射され、2人が死亡、負傷者は110人を超えた。同通信は、シリアの駐英大使の話として、シリアがヒズボラに対し、イスラエルへのロケット弾攻撃を中止すべきだと伝えたと報じた。

レバノン:イスラエル軍の攻撃続くベイルート 

イスラエル軍による攻撃が続くレバノンの首都ベイルートに15日、入った。レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラによるイスラエル兵拉致に端を発したイスラエル軍の空爆で破壊された国際空港の燃料タンクはいまだ黒煙を噴き続ける。分断された高速道路の橋げたには「徹底抗戦」を誓うように、ヒズボラの黄色い旗がはためいていた。

ベイルート国際空港からの黒煙に染まる

 普段なら渋滞しているはずの幹線道路は、まるで深夜のような通行量だ。キリスト教徒とイスラム教徒の居住区を区切るアンダーバスを抜け、西部のイスラム教徒地区に入ると、様相は一変した。路側帯に無数のガラス片が散らばり、爆撃の跡に土砂を埋めた応急措置が施されている。シーア派居住区の交差点には爆撃による巨大な穴が開いたままだ。

 「我々は6年前、イスラエルを追い出した。この攻撃はレバノンに負けたイスラエルの6年越しの報復だ」。ヒズボラが拠点とする南部シーア派地区に隣接したイスラム教ドルーズ派地区に住むアブ・ワジさん(50)が言う。周りに集まった若者たちは「1カ月でも2カ月でも続ければいい。こっちはイスラエルの都市を次々に攻撃するだけだ」とヒズボラ支持を叫んだ。

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仏大統領:イスラエルを非難「度を越している」

 フランスのシラク大統領は14日、対レバノン攻撃を続けるイスラエル軍について「完全に度を越している」と述べ、強く非難した。革命記念日恒例のテレビインタビューで述べた。

パリ市内のエリゼ宮でインタビューに答えるシラク大統領

 大統領は「レバノンを破壊しようとの意思があるのではないかとの疑いさえある」と強調。一方で「暴力の激化についてはすべての当事者に責任がある」として、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラやパレスチナのイスラム原理主義組織ハマスも批判した。


激化する戦況 イスラエルやりすぎという声も出ています。


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最終更新日  2006年07月16日 12時51分15秒
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