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April 12, 2007
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カテゴリ:読書
銀色夏生の新刊『やさしい春を想う』が、幻冬舎文庫から発売されました。これは、銀ちゃんの本には珍しく、「ミルココ物語」「詩集」の2本立てとなっています。



やさしい春を想う


前半は、可愛い二人の少女、色白の<ミルク=ミル>と色黒の<ココア=ココ>が主人公の『ミルココ物語』。この<ミルココ>コンビの日常が、ほのぼのとしたタッチで描かれています。で、<ミル>のモデルは、<かんちゃん>の小さい頃がモデルじゃないかなぁ~と、思うんですよ。ちょっとクールなお母さん<ケチママ>との会話も、『つれづれノート』の頃の<かんちゃん><銀ちゃん>との会話みたいだし、<ミル>に小さい弟がいるのも<さくぼう>みたいだし。

そして、一番<かんちゃん>っぽいなって思ったストーリーは、18ページの『ミルのこころ』。大好物のホットケーキを食べながらマンガを読んで、幸せ気分にひたっている<ミル>。その時、つっと動かした手がコップに当たってジュースがマンガの上に大量にこぼれてしまいます。


「宝物のマンガは、濡れてシワシワ。ママとおとうとも、事態の重要さがわかるだけに、声をかけられず沈黙している。悔やむが、自分でやったのだから仕方ない。だれにもあたれず、泣き暮れるミルだった。」


この泣いている<ミル>とそれをドアの陰から覗いているお母さんと弟の挿絵が、なんとも『つれづれ』を彷彿とさせるんですよ。もちろん、同じシーンは『つれづれ』にはありませんが、雰囲気がね。

カラーの挿絵がとっても綺麗で、まるで絵本のような『ミルココ物語』。続編を期待したいところです。絵本として、単独で出版してくれないかなぁ~緑ハート


『詩集』は、凝った挿絵が使われています。「糸のぼく」「糸のわたし」には、かわいい刺繍の男の子と女の子が。たぶん、銀ちゃんが刺繍をしたのでしょうね。62ページから65ページでは、文字を使って絵を描いた遊び心いっぱいの挿絵もあります。そうそう、「シロとチョロ」っていう詩では、あのチワワの兄弟の絵と写真が使われていますよ!

そして、注目は版画。今回は<私の版画の世界>と題して、詩集の後半では、さまざまな版画が挿絵として使われています。イラストとはまた違った雰囲気が楽しめますが、その数、24枚! 『つれづれ』では、石鹸作り・タイルアート・藤細工など、色々なものに熱中する銀ちゃんの様子が書かれていましたが、今回は版画に熱中しているようですね。ちなみに、表紙の絵は「ひるね」という詩に使われている版画です。

本のタイトルになっている「やさしい春を想う」という詩は、最後に載っているのですが、これには挿絵がありません。この詩には、印象的なフレーズがいくつか出てくるんですよ。


『ここでは夢がなくても/いいんだね』
『もう追いかけなくても/いいんだから』
『もう休んでも/いいんだから』
『ここでは愛さなくても/いいんだね』
『しばらくの間/休んでも/いいんだから』



そして、連の最後は


『もう無理して 笑わなくても/いいんだろう』


この言葉で終わっています。最初は、銀ちゃん自身のことをうたっているのかな?とも思ったのですが、今という難しい時代を生きなくてはならない、子供達に向けての詩のような気がしてきました。「無理をする必要はないんだよ。肩の力をぬいてごらん。」っていう銀ちゃんからのメッセージではないのかな。そういえば、昨年の11月に発売された詩集『やがて今も忘れ去られる』「生きるということ」という詩があって、これも今の子供達に向けて書かれた詩のような気がしています。



やがて今も忘れ去られる


『やさしい春を想う』は、物語派も詩集派も満足すると思います。暖かな春の陽射しの中で読むには、ピッタリの一冊です手書きハート足跡

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Last updated  April 24, 2007 01:12:52 PM
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