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カテゴリ:企業・ビジネス
皆さん、こんばんは。
週末に参加したお月見コンサートで同席したMさんは造船の設計者でした。食事中、造船ビジネスに関していろいろ興味深いお話を聞くことができました。 ■顧客("民"・"官")によってビジネスが変わる 造船業での顧客は大きく"官"と"民"の2つに分けられ、契約方法が違う為会社の組織・事業も全く別の体系となるそうです。
■ アメリカと日本の造船業 日本の造船業はかつて40年間世界シェアのトップを走った花形産業でした。しかし、造船業は3K(汚い、危険、きつい)などと言われ、優秀な学生が遠のき、技術がだんだん下がってきました。Mさんによると現在、韓国は日本を追い越し世界の40%のシェアをもっているそうです。韓国政府は外貨を稼ぐため造船業を優遇し、ソウル大学など超一流の学生を造船業に送り込み技術力を向上させました。また、安い人件費により製造コストを押さえ、日本より品質がよく安い。日本はどんどん追い詰められているそうです(日本の世界シェアは35%)。 アメリカ世界シェアは、「その他」のカテゴリーくらいのシェアしかないそうです。アメリカの造船業は軍事産業に支えられてきました、"官"相手に軍事用の船ばっかり作っていたため製造効率・技術レベルが低く、1隻を作るのにアメリカは日本の2倍時間がかかるそうです。 ■ "民"相手に船を作り大失敗 アメリカの造船会社は近年の軍事予算削減に伴い売上減少の対策として"民"相手の船つくりに手を出しているそうです。Mさんが競合相手の副社長と話をしたときの笑い話。初めて"民:"相手に入札し、商業船を4隻の受注。同副社長は民間担当の新しい部署を設立し、4隻のプロジェクトを進めたそうです。 "民"の部署の人はいつも忙しくしているのに、のんびりの仕事をしている"官"の部署の同僚を見ていると、やってられなくなるそうです。そこに壁さえあればうまくいったかもしれない。。。となりの芝は青くみえるということでしょうか。結局その会社は"民"から撤退したそうです。 Mさんいわく、"民"と"官"のプロジェクト両方を同じ会社で行うのは、本当に難しいそうです。同じ造船業なのに顧客相手で組織もビジネスも違うとは、おもしろいものですよね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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