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良さんの読書日記

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2016.05.10
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テーマ:お勧めの本(7228)
カテゴリ:ミステリー小説
神の火(上巻) 高村薫 新潮文庫

  本書はソ連が崩壊する直前、東日本大震災で東京電力福島第一原発が爆発する二十年前に書かれた。
 京都府の舞鶴市に、西日本電力が音海原子力発電所を建設していた。ところが、そこをテロリストが狙っているという情報を公安や電力会社がつかんだ。
 主人公は島田浩二。東大を卒業し、日本原子力研究所に十五年間勤め、今は大阪で書籍を扱う会社に勤めている。母親がロシア人と不倫してできた子どもで、見た目はロシア人だった。それでも、父の誠二は実の子どもとして育てた。これが物語の伏線になる。
 アメリカのCIA、ソ連や北朝鮮のスパイ組織が登場する。これに日本の公安がからみ、まるでスパイ映画を見ているようだ。
 当時は、携帯電話は普及していない。パソコンは出始めで、記憶媒体はフロッピー。本書では、原発の図面をマイクロフィルに写して奪い取る、こういアナログなところがまた面白い。
 島田はソ連にいる時、ロシア人女性と恋に落ち、男の子が生まれる。その息子が二十年後の今、島田の前に現れ、言った。
 「原発にミサイルを撃ち込んだらどうなる」
 いくら完全なセキュリティを誇った原発でも、ミサイルを撃ち込まれたら一貫の終わりだ。火力発電所なら被害は発電所だけですむ。しかし、原発に撃ちこまれたら半径数十キロ圏内は確実に被害をこうむる。
 核兵器と同じで、原発もなければ事故もない。テロリストのターゲットになることもない。


ホーム・ぺージ『推理小説を作家ごとに読む』も御覧ください。

http://bestbook.ife.coocan.jp






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Last updated  2017.02.26 10:32:58
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