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東京今昔物語  (写真の世界 http://wakowphoto.world.coocan.jp/ より)

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2019.12.18
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カテゴリ:カテゴリ未分類
明治の開国は文学、藝術の世界にも衝撃を与えました。西欧の文学に触れて日本の伝統的文学は変革を試みますが、その代表者が夏目漱石であり、森鴎外でした。その他多くの文士達も変革の波に飛び込み格闘し、日本の近代文学が花咲きます。

明治・大正時代に日本文学の近代化に挑んだ文士達は、東京では何故か特定の場所に纏まって住みました。既にご紹介した本郷界隈と田端の丘と、そして今回取りあげる馬込の文士村です。

馬込の文士村も田端のそれと同じように丘の上にあります。JR大森駅からやや急な坂を上ると起伏のある丘があります。馬込文士村には、明治末から文士達が集まり始めますが、大正末に尾崎士郎が馬込に引っ越してくると、盛んに他の文士達を勧誘しましたので大勢の文士達が住み着きました。また関東大震災で焼け出された文士達も加わりました。

昭和の初期に文士村は賑やかさを増し、馬込の丘のあちこちに分散して居を構え、互いに訪ね合って、あるときは真面目に文芸論を戦わし、あるときは酒、麻雀、ダンスで生活を楽しんだようです。阿佐ヶ谷に住んでいた井伏鱒二は、新宿郊外の中央線沿線には三流作家が住み、世田谷には左翼作家が住み、大森(馬込)には流行作家が住んだと自嘲していました。
(写真1、2)

大森駅から南馬込の丘に上る途中に山王会館があります。その館内に馬込文士村資料展示室があり、馬込文士村に住んだ文士、詩人、画家たちの活動記録が展示されています。そして山王会館の門の脇に「馬込文士村散策のみち」という大きな看板が掲げてあり、文士達の名前が住んだ場所に書き込んでありました。主な名前を拾うと次の通りです。
(写真3)

尾崎士郎、室生犀星、石坂洋次郎、山本有三、萩原朔太郎、倉田百三、佐藤惣之助、宇野千代、稲垣足穂、広津和郎、小林古径、川端龍子、北原白秋、三好達治、山本周五郎、川端康成、和辻哲郎、徳富蘇峰、小島政二郎、倉田百三など。
(写真4)

大森駅から山王口でジャーマン通りを行くと尾崎士郎記念館と、蘇峰公園の中に山王草堂記念館があります。山王草堂記念館は徳富蘇峰の住居跡で、有名な「近世日本国民史」の大半をここで書いたと言われます。蘇峰は明治天皇の崩御を期に国民歴史の著作を思い立ち、厖大な著書の7割を明治時代に充てましたが、西欧文明が明治の日本に与えたインパクトを記録に留めようとしたのです。
(写真5、6、7)

本郷の文士達には明治時代に活躍した人が多く居て、田端、馬込の文士達には大正、昭和に活躍した人が多く居ました。文士村の作家や詩人や画家達は、互いに交流し切磋琢磨し、そのため他の文士村との間を渡り歩いた人もいました。

明治以降の日本は、西欧文明との力の差を乗り越えるのに悪戦苦闘しましたが、軍事と産業だけでなく、文化と宗教を含めて西欧に対抗し、凌駕しようと格闘した場所の一つが文士村だったのです。
(以上)
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写真1 川端康成と石坂洋次郎の住居跡の標識


写真2 尾崎士郎と宇野千代の住居跡の標識


写真3 山王会館


写真4 文士達の住居跡の地図


写真5 尾崎士郎記念館


写真6 尾崎士郎記念館の庭


写真7 蘇峰公園にある山王草堂記念館(徳富蘇峰住居跡)





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Last updated  2019.12.18 20:49:55
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