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カテゴリ:木材のこと
遅まきながら、19日に放映されたNHKクローズアップ現代
「日本の森 再生のチャンスを生かせるか」を見ました。 結論から書くと・・・誤解を招く表現が多すぎます。 これが実態だと思ったら大間違いです。 まず、熊本県球磨村の100ヘクタールにも及ぶ伐採跡地が写されましたが 通常、土地所有者と伐採業者は違います。伐採業者が植林するのではなく、 土地所有者が植林をするものなので、植林放棄を問題視するならば 土地所有者こそが問題視されるべきです。 また、球磨村の現場のように縦横無尽に道が作れる現場は滅多にありません。 レアケースを写して、「山が荒廃している」と表現するのは ミスリードもいいところです。 マスコミの常として、視聴率を稼ぐために、わざと印象に残る画面を 写すことがよくありますが、残念ながらクローズアップ現代のディレクターも 自分の描いたストーリーにあわせた画面しか使いませんでしたね。 次に、ポラテックの自動化ラインと無垢材のラインが映し出されて、 杉のグリーン材(未乾燥材)の含水率が映し出されましたが、 未乾燥材を使うのは予算のない現場だけです。予算をケチられたから 未乾燥材を使うのであって、予算をきちんととれば、人工乾燥材を使うのは 今や当たり前です。なぜ国産材が使われないかという本質は、集成材でないと 無人化ラインにのせることができないことと、集成材を使えば横胴縁を 省略できるので手間を省きたい大工さんが集成材を使うからであって、 乾燥材が手に入らないからではありません。 全て加工・施工側の都合です。 番組のコメンテーター遠藤日雄教授は、中立的な立場でしたし、コメントも 的確だったと思いますが、ディレクターの描いたストーリーが残念ながら 本質とはかけ離れています。 小川耕太郎さんがクローズアップ現代のことを 「内容が薄っぺらでがっかりした」 と書いていましたが、私も同感です。 私はクローズアップ現代に限らず、テレビをほとんど見ないのですが 今回の放送を見て、テレビを見る気がますますなくなりました。 放送を見られなかった方は、mildwoodsさんのブログに 詳細なレビューがあります。とても参考になりますのでご一読ください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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