運動をしないで過ごしてきた高齢者でも、新たに運動を始めると顕著に死亡率が低下する--。
高齢女性に対する米国の大規模コホート研究で、こんな調査結果が明らかになった。運動に関する行動変容と生活習慣病などによる死亡リスクに関する研究は数多いが、高年齢になってから運動を開始した場合に関する研究はほとんどない。最近、日本でも介護予防などを目指して高齢者向けの各種トレーニングを推進する自治体が増えており、力強いエビデンスの一つになりそうだ。
研究結果は、米国医師会雑誌Journal of American Medical Association(JAMA)2003年5月14日号に掲載された。
米国疾病対策センター(CDC)のEdward W. Gregg氏らの研究グループは、骨粗鬆症による骨折に関する大規模前向き研究「the Study of Osteoporotic Fractures(SOF)」に参加している65歳以上の健康な米国白人女性9518人のうち、フォローアップ調査(中央値=5.7年後)を受けた7553人を対象とし、さらに平均6.7年追跡した。運動量の調査はアンケートで行った。