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2007.05.13
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カテゴリ:昆虫(その他)


 先日、トベラの葉裏にスカシクロバ(マダラガ科に属す半透明の黒っぽい羽を持つ小さな蛾類、近日中に紹介予定)の様な、全長7mm位の虫がいたので早速写真を撮った。葉裏の虫というのは、中腰で上向き、等倍接写をするには最悪の位置である。撮影時には、専ら焦点を合わせるのに気を取られてしまうが、それでもスカシクロバ類にしては小さ過ぎるし、何となくおかしいと思った。そこで、直ぐにコムピュータに移して確かめてみた。

 すると・・・、触角が数珠状で、その1つひとつから放射状い剛毛が数本出ている。こんな蛾は居ない。体付きも蛾ではない。胸部が非常に細長く、翅がその下端に付いている。


謎の虫
謎の虫(2007/05/08)



  それでは一体何か??トビケラは触角が糸状だ。ハエの中には奇妙キテレツな連中が居るが、やはり体付きが違う。また、トビケラもハエも翅脈はかなり複雑で、この虫の様な極めて単純な翅脈を持つものは居ない。


 何の目(分類体系の目:Order)に属する虫なのかが分からない。こんなアホな話あるか!!

 もうすっかり疑心暗鬼になってしまって、再度トビケラ類やガ類、双翅目を調べ直す始末。しかし、数珠状で剛毛の生えた触角を持つ虫は見当たらない。

 八方塞がり、すっかり考え込んでしまった。

謎の虫(部分拡大)
上の写真の部分拡大.数珠状で各「数珠玉」から放射状に剛毛が

出ている.剛毛をハッキリさせるためにアンシャープを強くかけてある(2007/05/08)



 目が分からないと言うのが何とも情けない。しかし、2~3日経って、ヒョッとすると図鑑に目の検索表もあるのではないかと気付き開いてみると、簡単な素描による検索表があった。ざっと見てゆくと、半翅目同翅亜目(セミ、ヨコバイ、ウンカ、アブラムシ、カイガラムシ等)に似たような触角と頭部胸部を持つ虫の絵があるではないか。横にある楕円形の虫と一緒に描かれている・・・。カイガラムシ?・・・カイガラムシの成虫の雄か!!!


 カイガラムシの雌成虫は昆虫としては特異で、小さな饅頭みたいな形をしていて一般に木の表皮に固着して動かない。一方、雄成虫は普通の虫で羽もある、と言うことは知っている。しかし、どんな虫なのかは知らない、見たことがない。アブラムシの近縁なのだから、どうせナヨナヨした虫だろうと漠然と思っていただけで、全く想像が付かない。頭の中が真っ白。

 早速、Internetで「カイガラムシ 成虫 雄」をキーワードにして調べてみると・・・、いた!! 上の写真ソックリなのが、余り鮮鋭ではないが、幾つかのサイトに掲載されていて、オオワラジカイガラムシの雄成虫とある。

 オオワラジカイガラムシなら我が家のアラカシやクリにも結構付いているから、その雄成虫が居て些かもおかしくない、と言うか、居る方が当然と言える。近縁種についての情報は無いが、オオワラジカイガラムシの雄成虫として良いだろう(図鑑の記載によると「触角は10節」とある。写真の数珠玉1個が1節ならば遙かに多く一致しない)。

オオワラジカイガラムシ(雌成虫)
オオワラジカイガラムシの雌成虫.名前の通り草鞋にソックリ.

上に触角、左側に脚が1本見える(2007/05/11)



 それならば、雌成虫の写真もあった方が良いに決まっている、と言うことで、早速クリの木を見に行く。丁度撮り易い位置に1匹居たので、直ちに御披露目の写真を撮った。しかし、余り御披露目に値するほど見映えのする虫ではありませんな。

 この虫、カイガラムシの雌成虫のくせに、リッパな脚があってチョコチョコ歩き回る変なカイガラムシである(コナカイガラムシ科やワタフキカイガラムシ科の雌成虫は一般に歩行が得意らしい)。体長9mm程度、雄よりも大きい。


 広い生物界には雄雌で大きく形態の異なる生き物が色々居るが、これ位違うのも一寸珍しい。しかし、雌の方は幼体の形態が殆ど変化せずに成熟すると考えれば、大して奇妙ではない。






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最終更新日  2007.05.13 10:29:50
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