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テーマ:日々自然観察(9880)
カテゴリ:昆虫(甲虫)
このゾウムシ、かなり以前から我が家の庭の彼方此方で見かける。都内の住宅地に棲んでいるのだからごく普通の種類と思うが、それでも分からないところを見ると、ゾウムシの種類は随分と多いらしい。「東京都本土部昆虫目録」のゾウムシ科を参照すると、実に167種もの記録がある。手元にある文献やInternetに出ているゾウムシ科の昆虫は全国で精々数10種だから、これではやはり無理と言うものであろう。
一般にゾウムシは動作が鈍く、形勢不利と見ると隠遁の術を使ってポトリと草むらの中に落ち、行方知れずになってしまう。 しかし、動きが鈍い一方で、信じ難い程の「忍耐力」を持っている。例えば、オオスズメバチなど如何にも強そうだが、4塩化炭素の毒瓶に入れると殆ど瞬間的に倒れ、1分も経たない内に完全に死んでしまう。代謝が早いからである。 ところが、ゾウムシはその同じ毒瓶の中で30分位経ってもまだ死なない。動きが止まったので漸く死んだかと思って毒瓶から取り出すと、暫くしてからまた動き出したりする。全く信じがたい連中である。
大学院時代に昆虫学のN教授の講義で聞いた話だが、ある種のゾウムシは走査電子顕微鏡の鏡筒に入れ、減圧して検鏡していてもまだ動いているそうである。電子顕微鏡鏡筒内の真空度は宇宙空間よりはずっと低いが、10のマイナス8乗Pa程度の高真空である。その中でもまだ死なないで動いていると言うのは、スゴイとしか言い様がない。 宇宙ステーションは高度400km付近の「低空」を飛行し、真空度はこれよりかなり低い10のマイナス5乗Pa程度でしかないとのこと。とすると、ゾウムシは、宇宙服(虫用?)無しでステーション外に出、30分程度経ってから戻って来ても死なないで済む可能性が高い。もしこれが出来れば、ギネスブック登録のレベルを遙かに超えた地球生物としての「偉業」である。誰か、実験してみるAstronautは居ないか!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.07.08 14:55:54
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