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カテゴリ:昆虫(甲虫)
此奴、実際に大変な害虫で、我が家に於ける被害は、金額的にも相当な額に達するであろう。 兎に角、食物スペクトルが広く何でも喰う。退治しようにも発生源を突き止めるのが容易でないのである。また、我が家の様に外国の食料サンプルを沢山貯蔵してある所では、複数個所から発生しているのが普通らしく、大発生している場所を見つけて退治しても、他の場所でも発生しているから、未だに根絶出来ない。全く困った虫である。 因みに、かなり以前に東南アジアから買って来た干メンにコクゾウムシの1種が付いていて、かなり我が家で繁殖したことがあるが、これは穀類かその加工品しか食害しないので、簡単に退治することが出来た。
ソモソモ、このジンサンシバンムシが我が家に入って来たのは、今から20年程前のこと、ある大先輩に頼んでカルカッタから買って来て頂いたアサフェティダ(asafoetida、assafoetida、asafetida)と云う1種の香辛料に卵が付いていたのである。 アサフェティダは、Ferula assafoetidaを主とするセリ科植物の根元から採ったヤニ(樹脂)で、硫黄を思わせる強い異臭を持つが、インドやその近くの国では、これを野菜、特に豆のカレーに極く少量入れるのである。純粋なものは非常に高価で、インドでは固まりではなく、細粉にし乳糖か何かで10倍位?に薄めて缶入にしたものが一般的である。最近はInternetでも売られているが、これも同様であろう。 記憶に拠れば、頂いたのは7×3×2cm位の純粋なヤニの固まり、恐らく1000ルピー(1ルピーで野菜カレーが腹一杯食える)以上はしたと思われる。これを2つに割り、一つを砕いて料理用とし、こんな大きな固まりは珍しいので、残りの半分をサンプルとして保存して置いたのである。このサンプルの方からシバンムシが発生した。サンプルは結果的に穴だらけの火山岩の様になってしまった。
我が家で被害にあっているのは主に干メン類(蕎麦、うどん、素麺、スパゲッティ、米から作った干メン等)である。今まで30kg位は処分したと思う。しかし、記憶に拠れば、紫菜(支那式の岩海苔の干物)、干し椎茸、ダール(印度式の干豆、レンズ豆、ヒヨコ豆等)、小麦粉、東南アジアの黒砂糖と椰子砂糖、その他「こんな物も喰うのか!!」と驚く様なものまで食害された。正に、「乾燥貯蔵動植物質の世界的大害虫」なのである。 更に始末が悪いのは、成虫はかなり厚いプラスティックの袋でも食い破り、卵を産むのである。メン類などは、相当シッカリした容器に入れておかないと、未開封でもやられてしまう。
九州大学の日本産昆虫目録に拠ると、ジンサンシバンムシは1属1種だが、一見よく似た種に、やはりに世界的に分布する乾燥動植物質の大害虫であるタバコシバンムシがある。セスジシバンムシ亜科に属すので少し縁遠いが、体の外観はよく似ている。しかし、触角の先端3節が、ジンサンシバンでは写真の様に細長い球桿状であるが、タバコシバンでは鋸歯状なので容易に区別が付く。尤も、3mm程度の虫の触角を調べるのは一般的には一寸難しいかも? 尚、ジンサンシバンムシの「ジンサン」とは朝鮮人参の人参(ginseng)のことである。私は朝鮮語を解しないので分からないが、ginsengの本当の発音はジンセンよりはジンサンに近いのかも知れない。北京官話の「eng」は、日本人にはエンよりはアンに近く感じられる。
今日はジンサンシバンムシの被害についてばかり書いて、形態的特徴の方は本文中には殆ど書かなかった。代わりに写真の下に形態学的な説明を少し入れて置いた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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こんな害虫がいるのですね、初めて知った名前です。
ジンサンが「人参」は解りましたが では「シバンムシ」は? 紫盤虫?って赤茶色ですし、、 うちではたまにヒメマルカツオブシムシとか紙魚は見かけますが、、 さすがはアーチャーンさんちの食料ストックですね。 物凄くインタナショナルなものが、と思いましたv 食べ物に付かれると根治には大変な労力が、と思われます。 簡単に薬で、とはいかないでしょうし 結局のとこまさに「虱潰し」状況で退治なのでしょうか? でも現在?こうして「被写体」になっているのですし、、 (2011.08.11 22:10:06)
snowrun29さん
>こんな害虫がいるのですね、初めて知った名前です。 >ジンサンが「人参」は解りましたが >では「シバンムシ」は? >紫盤虫?って赤茶色ですし、、 ----- 余り知られていないのでしょうか。シバンは「死番」ですが、由来はWikipediaに拠ると、英語のdeath-watch beetleから来ているとのこと、詳しくはWikipediaで見て下さい。 >うちではたまにヒメマルカツオブシムシとか紙魚は見かけますが、、 >さすがはアーチャーンさんちの食料ストックですね。 >物凄くインタナショナルなものが、と思いましたv >食べ物に付かれると根治には大変な労力が、と思われます。 >簡単に薬で、とはいかないでしょうし >結局のとこまさに「虱潰し」状況で退治なのでしょうか? >でも現在?こうして「被写体」になっているのですし、、 ----- 密閉に近いケースの中などで発生していることが多いので、バルサンを焚いても効果はないでしょう。全く困った虫です。 (2011.08.12 07:24:34)
以前、うちでも発生したことがありました(>_<)
何が原因だろう?と探し当てたら、乾麺のうどん。 頂き物で封を切ってもいなかったのに、穴だらけになっていました。 ビニールでも食い破ってしまう、とのことですね。 『死番』という名前から、現代アートでこの虫をいっぱーい貼り付けた作品を作った作家さんがいるそうです。 (検索したけどちょっと見当たりませんでした。) 不名誉な名前かな?! (2011.08.23 13:17:45)
marinesnow2525さん
>以前、うちでも発生したことがありました(>_<) >何が原因だろう?と探し当てたら、乾麺のうどん。 >頂き物で封を切ってもいなかったのに、穴だらけになっていました。 >ビニールでも食い破ってしまう、とのことですね。 ----- 未開封の袋入りでも食べられてしまうので、非常に困ります。 >『死番』という名前から、現代アートでこの虫をいっぱーい貼り付けた作品を作った作家さんがいるそうです。 >(検索したけどちょっと見当たりませんでした。) >不名誉な名前かな?! ----- 面倒なので、名前の由来は詳しくは調べていません(余り興味がないのです)。しかし、「死番(death-watch)」とは妙な名前ですね。 (2011.08.23 13:57:38)
突然の失礼いたします。
有限会社エイチ・ケー・ビーの柴田と申します。 この度、ガーデニング(お花)を愛好する個人の方や会社様を対象に 写真投稿サイトを開設致しました。 「我が家のお花畑」 http://ohanaohana.net/ です。 宜しければ私共のサイトに作品を投稿公開して頂けませんでしょうか。 同じ趣味を持つ方々の交流のお手伝いが出来たらと思います。 携帯電話やパソコンから簡単に写真投稿が出来きます。 多くの方とコミユニィテーを持って楽しみませんか? 一度、 http://ohanaohana.net/ をご覧頂けましたら幸いです。 サイト内に「お花畑のタウンページ」としまして雑貨・インテリア・園芸用品のお店、 オンラインショップなどの掲載させて頂いております。 こちらも是非、ご覧くださいませ。 尚、ブログに「我が家のお花畑」のバナーを載せて頂けると嬉しいです。 バナーは http://ohanaohana.net/slink.php 」です。 何かご不明な点などがございましたら、 本メールの返信で構いませんのでご一報ください。 何卒宜しくお願い致します。 余談となりますが、弊社では「我が家シリーズ」と致しまして、 「我が家のペット」 http://www.petfamily.net/ 「我が家のキャラ弁」 http://www.mamasuki.net/ を運営させて頂いております お暇な時にでもご覧くださいませ。 今後とも宜しくお願い致します。 (2011.11.17 10:28:10) |