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テーマ:日々自然観察(9876)
カテゴリ:植物(木本)
この数寄屋も、茶人であった祖母が50年ほど前に植えたものである。最近では各種の侘助が園芸店で売られているが、当時はかなり珍しい庭木で、特に花の小さい白侘助は深大寺植物園以外で見たことがなかった。
昔は庭が広く植える場所は幾らでもあったから当然良く陽の当たる所に植え、毎年1月から3月にかけて夥しい数の花を着けた。西洋長屋に建て替えた後は、庭が狭いので夏しか陽の当たらない所に移されてしまい、花着きが良くない。しかし、今年は何故か沢山花が着いた。
侘助の花が咲くと、白い花を食べるヒヨドリや蜜を吸うメジロがやって来てつつく。花が少なければ「全滅」してしまうが、今年は沢山花が着いたので無傷のまま残っているものが多く、何とか写真を撮ることが出来た。
侘助の仲間は一般に葯が発育不全で花粉を欠くため、種子が出来ない。だから、繁殖は挿木で行う。白侘助は挿木が容易でないが、数寄屋は簡単で、大学院生の頃に沢山挿して人に配ったことがある。 数寄屋の雄蕊を撮ってみた。葯は開いている様だが、花粉は見当たらない。
また、侘助の形態学的特徴として子房が有毛であることが挙げられる。サザンカの子房には毛があるが、日本のツバキの子房は無毛である。中国などの大陸には有毛のツバキも有るので、侘助も大陸から来たか、或いは、大陸から来たツバキとの雑種ではないかと推測されている。 しかし、何故か数寄屋の子房には毛がない。数寄屋は一応「正統的侘助に属す」とされている様だが、系統的には他の侘助と異なるのだろう。 下に数寄屋と白侘助の子房を示した。白侘助は我が家には無く、近くの御宅からの「賛助出演」である。
ここ数日、日照が少なく底冷えのする毎日が続いている。しかし、オウバイ(黄梅)は既にポツポツと咲き始めたし、梅の蕾も順調に膨らんで中には白い花弁が見え始めたものもある。その他にも何種か蕾を急速に膨らませている木々がある。去年のネタを引っ張り出さなくても、今年は何とかなるかも知れない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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