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2009.07.29
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カテゴリ:昆虫(甲虫)


 数日前の早朝、新聞を取りに行くとき、中庭のスレートの上にコフキコガネらしき甲虫が仰向けにひっくり返っているのを見付けた。今時、良くあることである。もう御臨終と思って気にも留めなかったのだが、新聞を持って戻る時、良く見てみると少し動いている。まだ生きていたのである。

 触角先端の片状部が短いのでこれは雌。雄はこの片状部が雌の3倍位あってカッコイイのだが、何れにせよコフキコガネはまだ掲載していない。早速カメラを持って来て写真を撮ることにした。しかし、スレートの上にひっくり返っているのでは絵にならない。そこで、適当な葉の上に乗せてみたが、葉表は爪が引っ掛かり難いらしく直ぐに葉裏に行ってしまう。しかし、葉裏は好きではない様でまた表の方に上がろうとする。

コフキコガネ(雌)1

葉っぱの裏から表に上がろうとするコフキコガネ

体毛は頭部を除いて白っぽい

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(2009/07/26)



 どうも葉っぱの上は好きではないらしい。そこで、シッカリ掴まれそうなハナモモの幹に移してやった。今まで、余り元気そうに見えなかったのだが、樹皮に爪をかけた途端、急に元気よく歩き出した。
コフキコガネ(雌)2

ハナモモの幹を歩くコフキコガネ.体毛は白っぽい

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(2009/07/26)



 元気よく歩き出しただけではない。やがて、上翅を拡げて飛んでいってしまった。これまでの経験からしても、コガネムシの類は一見死にかかっている様でも、暫くすると急に元気になったりする。死にかかっている様に見えるときは、寝ているか、或いは、寝呆けているのだろうか。
コフキコガネ(雌)3

鞘翅を拡げて飛び立たんとするコフキコガネ

この後、元気よく飛んで行った

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(2009/07/26)



 さて、コフキコガネと書いたが、これにはオオコフキコガネと言う類似種があり、この辺り(東京都世田谷区西部)にも棲息しているらしい。保育社の甲虫図鑑に載っている検索表では、両者の違いは先ず体毛で分けられる。前者では「体毛は黄褐色、時にやや白っぽい黄褐色」、後者では「灰白色、またはやや黄色みを帯びた灰白色」である。しかし、実際問題として「やや白っぽい黄褐色」と「やや黄色を帯びた灰白色」でどの程度違うのか??
コフキコガネ(雌)2-1

一昨年撮ったコフキコガネ.体毛は黄褐色に見える

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(2007/08/17)



 実は、一昨年にもコフキコガネと思われる雌の個体を撮ってある。鞘翅が少し欠けて居たので掲載しなかったのだが、それと比較してみよう(上の写真)。体毛はかなり剥げているが、1~3番目の写真に写っている個体よりもずっと黄褐色を帯びている。この一昨年の個体がコフキコガネならば、最初の個体はオオコフキコガネなのであろうか。
コフキコガネ(雌)4

最初の個体の顔.触角が短いが愛嬌は満点.体毛は白い

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(2009/07/26)



 しかし、顔の辺りを撮った写真を見ると、今年の個体(上)でも、一昨年の個体(下)でも、殆ど体毛の色は違わない。淡褐色の被写体は、色温度を低く設定して現像すれば灰色になり、高くして現像すれば黄褐色になる。また、色補正で青を強くすれば灰色になり、弱くすれば黄褐色になる。・・・と言うことで、体毛の色で両者の違いを判断するのは、実物ならば兎も角、写真からはかなり難しい様である。

 それならば、色の違い以外に、この両者にどの様な違いがあるのか? 保育社の昆虫図鑑甲虫編に拠ると、コフキコガネ雌では頭楯両側縁は前方に向かい明らかに狭くなるのに対し、オオコフキコガネ雌では殆ど平行とある。頭楯と言うのは、この場合、頭部背側の先端部、上や下の写真では、丁度カッパのお皿の様に見える部分である(尚、頭楯の形は雄と雌で異なるので注意)。

コフキコガネ(雌)2-2

一昨年に撮った個体.今年撮った個体と体毛の色に違いは認め難い

愛嬌の度合いもまた優劣付け難し

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(2007/08/17)



 狭くなるか平行か。文意の違いは明瞭だが、側縁と前縁の境は丸味を帯びて曲がっているのだから、写真からの判断は是亦中々難しい。実際、背面から撮った2番目や4番目の写真を眺めてもハッキリしない。しかし、斜め横から撮った最初の写真や、最後の2枚の写真を見ると、側縁は前方に向かってほぼ一定の角度を保って次第に狭くなっていると判断出来る。・・・と言うことでこの2個体は共にコフキコガネ(Melolontha japonica)と相成った。


 ところで、コフキコガネの幼虫も勿論ネキリムシである。我が家の灌木を枯らした犯人の一人?ではないだろうか。・・・しかし、調べてみると、コフキコガネの幼虫は、マメコガネや先日掲載したセマダラコガネと同じく草本類の根を好み、時にゴルフ場の芝に被害を齎すことはあっても、普通の植物に大きな被害を与えることは無い様である。また、成虫の方も木の葉を食べることは食べるが、余程の数が集まらない限り問題になることはないらしい。

 これまで、アオドウガネやマメコガネは見付け次第捕殺していたが、コフキコガネはその愛嬌に免じて時に釈放していた。大した害が無いのなら、これからは、コフキコガネはみな逃がしてやることにしよう。







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最終更新日  2009.07.29 15:59:14
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