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テーマ:日々自然観察(9876)
カテゴリ:昆虫(アブ、カ、ハエ)
この手の小さいハエの同定は生態写真からは難しいことが多い。しかし、脛節端付近の背側に剛毛が無く、一見して単眼三角域が大きいので、キモグリバエ(Chloropidae)の1種であるのは間違いない。しかし、それ以上は、現在「一寸のハエにも五分の大和魂」が故障中なので、私一人の力ではどうにもならない。 それでも「Chloropidae」で画像検索すると、Thaumatomyia notataと言うこれにそっくりなキモグリバエが見つかった。しかし、類似種の情報が全く欠けているので、一見似ているからと言ってそう簡単にThaumatomyia属の1種と決める付ける訳には行かない。 キモグリバエ科は、九州大学の目録では150種、東京都本土部昆虫目録では39種記録されており、また、Thaumatomyia属は前者で3種、後者には2種載っている。 「木潜蠅」と言うと、木の穿孔虫の様な印象を与えるが、幼虫が木や皮を食べるのは一部に過ぎず、その食性は双翅目昆虫らしく、非常に広範囲に亘る。単子葉植物の茎や花穂を食べるものがよく知られており(ムギキモグリバエ、イネキモグリバエ等)、中には虫えいを作るものもあるそうだが、他に、腐植質、キノコ、腐肉、鳥の巣(に寄生?)、蜘蛛やバッタの卵、ネアブラムシ等を食べるものもある。前述のThaumatomyia属はネアブラムシを捕食する。 尚、別のWeblogで「キタモンヒゲブトキモグリバエ」と「ヒゲブトキモグリバエ?」を紹介しているので、関心のある向きは参照されたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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