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★☆ 女と映画 すべての女の人生はまるで映画そのもの ☆★

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2017年09月23日
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カテゴリ:孤独な女
女(クリシャ)は海辺で見てしまいます。
二匹の人魚(姉はゴールデン、妹はシルバー)が美しい歌声で人を呼び寄せて喰ってしまうところを。
そのまま逃げればよかったものを、自分の職場に連れてきてしまいます。
職場とは、ダンスホールまたはストリップ劇場とでもいいましょうか、女はここで働く専属歌手です。

クリシャは人魚が人間界でうまくやっていけるよう、オーナーに取り計らい、雇ってもらえるように紹介したり、仮死状態になればプールに放ち、蘇生を試み、
夜の人間界で好まれるダンスや歌を教えたことでしょう。

ふたりの人魚のうち妹のほうが、若いバンド仲間に恋をしてしまいますが、やめたほうがいい、とアドバイスするでもなくただ見守るだけ。
彼女は、自らの夜の歌手としての勤めを毎晩果たす。

主人公は若き二人の人魚であり、クリシャはわき役の一人です。
けれども、劇中通じて表情がさえないクールな彼女の様子には数々のメタファーが見え隠れしているようです。

◼そもそも、なぜ、彼女は人魚を連れて帰ったのか?
・人魚が見せ物になるとピンときて、ショーに出せば、客入りが良くなり職場が活性化すると思った(笑)
・オーナーから、いいのを連れてきたと言われ株が上がる(笑)
・一度でいいから人間界を見てみたいという人魚の願いを聞いてあげたいと思った
・人魚の魔力(魅力)にとりつかれた
・連れて行かなければ、おまえも喰うと脅された

冒頭のシーンで叫び声をあげた彼女ですが、ラストシーンでは
声も手も出ず、人魚の片割れを海に見送るのみです。

はじまりは彼女が人魚を連れ帰ったことで、バンドのメンバーの不幸を招いたわけですが、彼女自身どうすることもできなかっただろうと思います。

ダンスホール・ストリップ劇場の世界では、セックス、ドラッグ、マネーなどが交錯し、快楽、欲望、堕落、破滅やらが紙一重にある場所に生活する彼女でありますが、それでも歌を歌うことが好きでここまでこれたのではないでしょうか。歌がすごいうまいというわけではないが、どんな歌も歌えて踊れてオーナーも彼女を使いやすい。仕事を変えることもなく、ここまできてしまった。ベテラン歌手としてバンドメンバーを従えて舞台に闊歩する彼女のかっこいいことといったら。経験からきた自信なのだと思います。

(ちなみに、このシーンで、ハイヒールを鳴らして、オフィスから会議室まで向かう女性管理職をイメージしてしまいました(笑)後ろに男性部下を従えて。ありがちでしょう?)

が、プライベートの彼女の姿はあんまりかっこよくない(笑)。

非番の日は、疲れを癒すためのだらしない姿。フツーですよ、よくある女性の姿です。(そして、職場ではかっこいい管理職女性もしかり、ただのおばさんです(笑))

職場と家の往復。けれども、なにかそんな日常に一石を投じたい、変化を求めたい何かがあるのではなかろうか。

夫との夜の営みで、妄想してしまいます。
自分は人魚の母で、両おっぱいを姉妹の人魚のこどもに与えているところを。そんな邪念で、夫の息が魚の生臭い感じがして気になってしまう。

この映画のテーマは、スモチンスカ監督のインタビュー記事をいくつか読んで推測するに、若い女性の成長物語で、”若い女性が自分を見失わないで生きていって欲しい”ことがテーマにあるようです。

・一人は少女から女性に成長していく過程にある女の子=ゴールデン
・一人は、まだ少女のようでいる女の子=シルバー

ちょっとまってください、自分を見失わないで成長していく若い女性にも未来があります。そう、中年女のクリシャは、若い女性の近い未来の姿ですよ?
自分を見失ないそうになりつつも自立したらば、気づけばよれて疲れた中年女の姿がここにあります。
人魚に戻ることを選んだ姉のゴールデンの数十年後かもしれません。

<まとめ>
ホラー、ミュージカル、ファンタジー、恋愛 のミックス映画で、B級ホラーなシーンを交えながらも、すばらしい歌と歌詞で楽しませてくれる、大人のためのおとぎ話に仕上がっていました。おすすめです。
___

<スモチンスカ監督のインタビュー記事よりピックアップ>
fangoria.com
、Interviewなどから

~私にとっては、エンディングはよりシンボリックなものです。愛とは何かという、イメージの背後に残されている何かについてです。人魚というのは、人間がこのようなものだと思いたがっているイメージです。人魚は想像のもので、人喰い人魚であるということなど受け入れがたいでしょう。たくさんの若い女性が、人間関係の中で、若い女性はこうあるべきであるという欲求を感じでいることでしょう。あなたが本当はどんな人であるか知ろうともしない。個性があるということを十分に考える時間はないからです。私にとってエンディングは知ることの困難さの表現なのです。

これは、ある意味でとても個人的なストーリーなのです。人魚はマスクのようなものです。母がポーランドの共産主義時代にレストランバーを営んでいて、灰色の時代を忘れるために、ウォッカを飲みにやってくる個性的なキャラクターの人たちに魅了されていました。両親は作曲家でもあり、映画にあるようなバンドをやっていました。それに初恋というモチーフが好きで、
人々もそれにお金を払いにやってくると感じていました。←ここ、大事ですネ!

ポーランドでも、北欧でも人魚の彫刻はブラをつけていない。ブラはディズニーがつけたもの!

姉妹は互いにテレパシーのようなものでつながっている

シルバーのような若い子には、「しっぽをきるな」と言いたいです。
ゴールデンのような若い子には、「そのままでいい、あなたの道にこだわりをもって進め」と言いたい。

<スモチンスカ監督の好きな映画監督>
ロマン・ポランスキー、クシュシュトフ・キシェロフスキなど

<オープニングタイトルの変な絵>
女性画家 アレクサンドラ・ヴァリシェフスカ によるもの


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最終更新日  2017年09月23日 16時12分19秒
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