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カテゴリ:有川浩作品
『ロールアウト』
有川浩/著(野性時代10月号掲載:角川書店刊) お気に入りの小説家、有川浩さんの新作です。 今回は「野性時代」に新作短編『ロールアウト』が掲載されていました。 「野性時代」は2度目ですね。 前回の作品である『くじらの彼』は『海の底』のサイドストーリーでしたが、今回は完全に独立したお話でした。 そして、衝撃の事実が! 今回の『ロールアウト』ですが、怪獣が出てきませんっ!! ・・・・・・ ・・・・・ ・・・・ いや、強調すべきところはソコじゃないだろうってのは分かるんですが、 なんとなく「有川浩」と言えば、 『怪獣』『自衛隊』『恋愛』 (←偏見です(^_^;) ) って感じがするじゃないですか。(^_^;) (『くじらの彼』には出てこないけど、あれは『海の底』の世界ですから) それが、今回は怪獣が出てこないんですから、これはある意味「大ニュース」ですよ。 ・・・・・・ ・・・・・ ・・・・ ・・・まぁ、冗談はこれくらいにしましょう。(^^ゞ 今回の作品も主人公は『くじらの彼』と同じくOLです。 ただ、彼女は「航空設計士」だったんですね。 メーカーで飛行機の設計をやっている人です。 まだまだ若手で、ようやくおおきなプロジェクトチームに配属され、本格的な設計に関わることとなった彼女の前に立ちふさがるのは、 同じく若手ですが、バリバリの幹部自衛官 高科三尉。 そして、彼をも上回る強敵――『○○○』! 果たして彼女は、高科三尉の要求と、強敵『○○○』の猛攻に抗うことができるのか!? そして、航空機は無事に『ロールアウト』できるのかっ?! ユーザーの無理難題というのは、メーカーの設計にとっては恐怖ですよね。 まぁ、それをうまくクリアするのが設計の腕の見せ所なんでしょうが、なかなか難しいものです。 その辺を旨く描いたお話だと思います。 しかし、『○○○』をここまでの強敵に仕立ててしまう要因と言うのも、やっぱり切実なんでしょうね。 鍛え抜かれた自衛官にしたって、やっぱり「生理現象」には勝てないってことですか・・・・・・(^_^;) ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・え、『○○○』は何かって? それは、作品を読んでのお楽しみ。(^.^) もちろん、有川さんの真骨頂である、『恋愛要素』もばっちりです。 面白いですよ。 なかなかこういう小説ってないと思うなぁ。 設計やっている人は「ウンウン」と頷くことが多いかも?! それから、これを読んだ自衛官の人がどう思うのか、聞いて見たいなぁ。(笑) さてみなさん、 これは、あくまで僕の感想です。 でももし、この感想を読んで心を惹かれる『なにか』があったとしたら、読んでみてはいかがですか? もしかしたら、あなたの『傑作集』に入る作品かもしれません。 オススメの作品ですよ。 <追記> 『ロールアウト』: 航空機の製造は、胴体や翼など各部ばらばらに製造され、それらは最後の巨大な組立工場内で最終的に結合されて装備品、機器などが艤装された上で航空機としての体制が整えられる。 その後屋外に引き出されることになるのだが、このことを『ロールアウト』と呼びます。 ユーザーに引き渡されるのは、ロールアウト後に各部の点検やエンジンテストが実施されたうえでの、最終的な飛行試験が済んだ後になる。 個人的「有川浩作品」感想一覧 ↑個人サイトです(^.^) 是非一度、お立ち寄りください。<(_ _)> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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