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テーマ:猫の病気と治療日記(294)
カテゴリ:介護と看取り
「会って欲しい猫がいる」 12月28日愛護センターから連絡が入る。 毎年、仕事納めの恒例だから 今年も来るな…覚悟はしていた。 衰弱した「コノミ」という老猫。 若い頃はさぞかし フワフワとした美しい毛並みで 高貴なひとだったんだろう… 若い頃はさぞかし 力強い瞳で 見る人を魅了してきたひとだろう… 高貴な毛並みは バサバサで毛玉だらけになり、 自慢の瞳は、脱水でくぼみ 抵抗する気力すら感じれなかった。 「もう好きにすれば良い!」 と、言わんばかりだった。 看取りしか残されてない、 看取るためだけのレスキュー。 コノミは、保護家の隣棟、 療養の家(旧・看取りの家)へ入居した。 症状からして腎不全からの衰弱だろうな… 「死」は避けられないと 分かってはいながらも、 何もしてあげれないと 分かってはいながらも、 まだまだ、あがいてみたいと思った。 私が…そう願った。 コノミは、これ以上生きることは 望んでいなかった。 目の前の時間を必死に生きている… 今を生きることに精一杯だった。 でも… あがいてみたかった 最期のときまで あがいてみたかった。 「生きたい!」 「意思」というものはときに、 医学では証明できない とてつもない力を発揮する。 それが「奇跡」なのかもしれない… だからコノミも…? もしかしたら…? わずかな希望に賭けてみたい! 病院へ連れて行った。 歩行にも違和感があり、 「まだ何か出来る事があるのでは?」 こんなに弱ってる体なのに 採血して血液検査を望んでしまったが… 腎不全末期 わずかな希望は打ち消された。 レントゲン写真を見て驚愕した。 右の大腿骨は腸骨に刺さるように固まり、 左の大腿骨は外れたまま固まっていた。 おそらく交通事故だけど、 昨日今日の交通事故ではない。 痛みを抱えたまま どれほどの時間を 戦ってきたのだろう… 会いたかった… もっともっと早くに会いたかった! こうなる前に、 まだまだ「できる事」があるうちに 出会いたかった… 2022年12月30日 もう目は見えていない コノミから視界が奪われた。 動く力も残ってないはずなのに よろめきながら懸命に立ち上がり 這いずるように歩き出した先には… もう良いんだよ? おしっこもうんこも 寝たままで良いんだよ? 前足で必死に体を支えながら おしっことうんちを トイレで出そうとしてた。 条件反射で手を貸そうとしたが… その手を引っ込めた。 コノミ自身が望み動いたことだから 邪魔をしちゃいけないんだろうな…って。 コノミをレスキューして ずっと探してた「私ができること」… ようやく答えにたどり着けた。 それは… 「コノミを尊重する」 「コノミの尊厳を守る」 だった。 2022年12月31日 偉そうなこと書いてるけど… コノミだけと寄り添う時間すら、 与えられる立場ではなかった。 スタッフやボランティアさん帰宅後の 夕方~翌朝の時間が 母家にいる老犬達の介護が中心だから。 (今は寝たきりの介護犬は3匹だけ) 療養の家と母家を 行き来はしてたけど、 コノミにとっては、 都合良かったのかもしれない。 私にずっと側にいられるより、 ずっと見られているより、 リラックス出来るんじゃないか?って。 いや…違うな… 自分の都合良いように解釈しようと 言い訳じみた思考に持っていっただけだ。 AM9:30 出勤したスタッフと交替。 「おはよう!コノミさん!」 パタパタと左手を上下に動かし、 軽い発作がはじまった。 お別れの時が来たのだと悟った。 本当は「ありがとう」「大好き」… 良い言葉をかけたかったのに、 「ごめんね」しか出てなかったと思う。 2022年12月31日 9時50分 下顎呼吸もなく、 呼吸が激しく乱れることもなく、 まるで眠るように… 静かな最期を迎えた。 おこがましくて恥ずかしいけど、 勘違いかもしれないけど、 私が帰宅するまで 頑張って待っててくれたような そんな気がした。 荼毘に付すまで トイレを片付けられなかった。 コノミのうんこさえも愛おしく思えて… コノミが力を振り絞って頑張った 証のように思えて… 人間の価値観なんだろうけど… 一緒に年を越したかった。 2023年…1分でも1秒でも良いから 一緒に今年を迎えたかったな。 別に意味はないけど なんとな~く… 2023年1月1日 コノミは荼毘に伏されました。 「おかえり!コノミさん!」 きっと、美形だっただろうに… 衰弱した写真しかなくてごめんねコノミ。 コノミ… また会いたいけど、 もう会いたくないよ。 コノミと私は、 二度と出会っちゃいかんのだよ… 私と出会う=不幸な犬猫 だからね… 幸せな犬猫は、 私と出会わないのだから。 生きてる時空が違うのだから。 バイバイ…コノミさん! 「私ができる事」…出来たと思う。 その瞬間がきたら、 点滴や水分を介護する側が コントロールして 苦しませない最期を 迎えさせること。 「枯れて死ぬ」 死への準備が始まった体に 決して逆らってはいけない。 眠るような安らかな最期であるために… 「犬猫保護施設・いのちのはうす保護家」 YouTubeチャンネル登録 よろしくお願いします ご支援ご協力を どうかよろしくお願い致します ▼宮崎銀行 加納支店 普通口座0104601 動物たちの未来のために代表山下 由美 ▼郵便貯金 17310-434961 口座名義:イノチノハウスホゴヤ ▼〒880-1222 宮崎県東諸県郡大字国富町八代北俣2581 いのちのはうす保護家 090-4484-5165(9:30~22:00 担当フジイ) ▼「いのちのはうす保護家」HP ▼「ハンデのある猫達の保護猫カフェ HOGOYA」HP ▼「いのちのはうす保護家」公式ブログ ▼「いのちのはうす保護家」Facebook ▼保護猫カフェ「HOGOYA」Facebook ▼山下由美代表Facebook ▼犬猫介護アドバイザー &犬猫看取りコミュニケーターInstagram ▼保護猫カフェ「HOGOYA」Instagram お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年01月04日 16時08分21秒
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