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カテゴリ:ショートショート
アイネ クライネ ナハトムジーク第2楽章が 聞こえてきそうな荘厳な朝です。 ここはモーリーの住む言葉の森―― キラキラ輝くものが降ってきて モーリーの瞳も輝いてきます ウーはそんなモーリーの横顔を見て 空に向かって言いました。 「君たちはいいよな、空から降ってくるだけで 皆から喜ばれて 僕なんか―― 昔はよかったって懐古趣味にひたってる場合ではなくて、 これからのことを想いたいんだ。 そりゃ、昔は地面は土に覆われていて僕らは そこに着陸できた。 土には命が宿っているからね。 今はどうだい? 森から生まれた僕は 土にも返れないんだ。 万が一、人の体にくっついたら最後。 抗体にやられちゃうんだ。」 「ウー、そんなに気にしなくていいよ。 僕らは生命の法則にしたがってありがたく 生きて 生かされている。 たくさんの命が集まるこの☆では たとえ、一つの人間の種族という中でも 関係は複雑なものだよ。 ましてや、生きとし生けるものすべてが いいように生きていくなんて。 想像の世界でしかありえない。」 その時、 キラキラ輝く一つのかけらが 二人の所に舞い落ちます。 「君は?」 「僕はコト。 今、天から降りてきた。 君たちの想いの産物でもあり 宇宙の根源。 想ってくれてありがとう。 生まれてこれて君たちに出会えて よかった。 生きとし生きるものすべての調和は そんな難しいものじゃないよ。 ちょっと、自分に素直になって見て、 我を通さないで相手を生かすことを 考えてみればいいんじゃないかな。 だってすべての生まれたものは すべての親に感謝してるんだ。」 今日も言葉の森には たくさん天からの贈り物が 届いています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年02月12日 00時25分05秒
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