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病理検査の玉手箱

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2006.10.30
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カテゴリ:日誌
心外の術後や透析患者で限局性腸管虚血を起こし腸切除される例に遭遇する機会がこの頃多い.検索しても明らかな血栓性閉塞がなく何と診断しようか迷うこともある.臨床の先生からnonocclusive mesenteric ischemia (NOMI)ではないかと質問を受けた.慢性腎不全や心臓手術の患者では低拍出症候群などで相対的腸管虚血が起こりやすいためこのような合併症が起こりやすいそうである.病理医にとっても興味深い病態なので紹介する.日本ではなぜriskの高いoff-pump手術にそれほどこだわるのか?この文献を読んでいて疑問に感じた.

Katz MG, Schachner A, Ezri T, Kravtsov V, Freidman V, Hauptman E, Sasson L. Nonocclusive mesenteric ischemia after off-pump coronary artery bypass surgery: a word of caution. Am Surg. 2006; 72: 228-231. [PubMed] 要約
Off-pumpの冠動脈バイパス手術を行った患者で致死的NOMIを合併した5例を報告する.65歳以上の489例のoff-pump CABGの患者(74.9±3.2才)をレビューした.NOMIの診断はCT-angio,上腸間膜動脈の選択的血管造影,術中所見で行った.3例は開腹術と腸管切除を行った.残り2例は腸管切除に至らなかった.前駆因子として術前の2名と術前後の2名で急性心筋梗塞と心原性ショックに対するエピネフリン投与とIABPが行われた.すべての患者は65歳以上で急性前壁梗塞があり,血行動態の不安定または梗塞後の不安定狭心症があった.NOMIは診断が困難であり,clear-cutな効果的治療がないこと,低拍出症候群のために予後不良となることが多い.Off-pump CABGは病態を増悪させる可能性がある.





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Last updated  2006.10.30 21:29:44
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