「外科病理学」第4版 編集・向井 清ほか(文光堂,定価 42,000円)が久しぶりに改訂出版されたので購入した.B5変型判・1976頁,二分冊となり大変な重量である.片手で持つと脱臼しそうになるので,平積みで利用することにした.顕微鏡写真等がカラーになるかと期待したが,昔ながらの白黒写真のままで少しがっかりした.執筆者には新進気鋭の人も多く,章によっては内容が一新された.外科病理なのでどうしても腫瘍性疾患に重点が置かれており,非腫瘍性疾患については物足りなさを感じるが,広領域をカバーしなければならない以上,仕方のないことだろう.いっそのこと眼病理や遺伝子診断などは省いて,感染症,病理解剖,細胞診,術中迅速診断,免疫組織化学などの総論的項目を独立した章にした方がよかったかもと思う.そうなると2500頁を超えてしまうので出版を実現するのは困難になろう.いずれにしても嘗ての版ではアッカーマンの翻訳のような章があったが,執筆者のオリジナリティが発揮されて少し成熟した内容になったことは歓迎したい.
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Last updated
2006.11.22 23:40:24
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