イタリア総選挙による政局の行き詰まり、欧州に衝撃広がる。
AFP bb NEWS 02月27日(水)07時51分の配信です。イタリア総選挙による政局の行き詰まり、欧州に衝撃広がる。 イタリアの首都ローマで、総選挙後の記者会見を開く民主党(PD)のピエルルイジ・ベルサニ党首(2013年2月26日撮影)。(c)AFP/ALBERTO PIZZOLI【2月27日 AFP】ユーロ圏にとって非常に重要な選挙とみられていた先日のイタリア総選挙では、明確な勝者が出ず、緊縮財政に反対するポピュリスト政党が衝撃的な躍進を果たし、同国の政局は行き詰まった。これを受け、世界市場は混乱し、欧州全土に警戒が高まっている。 下院ではピエルルイジ・ベルサニ(Pier Luigi Bersani)民主党(PD)党首率いる中道左派連合が僅差で勝利したが、上院では過半数を獲得した勢力がなかった。この選挙結果を受け、イタリア株式市場は急落、借入金利は急増した。 さらに、ユーロ圏第3位の経済大国イタリアの政局の先行き不安を嫌気し、欧州、アジア、米国の株式市場も下落した。政治アナリストらは、不安定な連立政権が成立するか、再選挙が数か月以内に行われるかのどちらかだと予想している。 一方、元コメディアンのベッペ・グリッロ(Beppe Grillo)氏率いる大衆派「5つ星運動(M5S)」は緊縮財政や不況への抗議票を確実に集め、下院での得票率が25.5%に上るなど大躍進を遂げた。(c)AFP/Dario THUBURN私見です。ギリシャの次はスペインそしてヨーロッパの経済大国イタリアがその次に危ないのではないかと昨年から言われ続けてきました。国の財政赤字が相当膨らみ、昨年はイタリアの10年物長期国債の利回りが一時、危険領域の7%を超え、一気にイタリアの財政に赤信号が灯りました。スペインは、緊縮財政政策に反対する国民のデモで、大騒ぎを起こしています。そのスペインの大騒ぎを横目に、今回イタリアの総選挙が行われました。目玉はなんといってもベルルスコーニ前首相の公約でした。不動産税の還付をめぐってテレビ番組で「私は全国民の要求に応えられる十分な財産がある」と述べ、日本では買収による選挙違反にも取られかねない発言をしました。その額なんと40億ユーロ(日本円で5,000億円)にもなります。(一体いくら財産があるのでしょう。)ベルルスコーニ氏率いる政党「自由国民」は選挙戦終盤、役所からの通知を思わせる「重要なお知らせ 不動産税還付」と書かれた封筒を有権者に送付しています。中身は党の宣伝でしたが、本物の通知と勘違いした人が還付金を求めて郵便局に並ぶ事態になりひと騒動起きました。なんでも有りのバカ騒ぎに「詐欺だ」「事実上の買収だ」と対立政党からクレームもつくなど、日本では考えられないノリの総選挙になりました。そんな中、下院ではピエルルイジ・ベルサニ民主党(PD)党首率いる中道左派連合が僅差で過半数を取りました。上院はどんぐりの背比べとでも言いましょうか、勝者無しのドローに終わります。記事の中の元コメディアン、ベッペ・グリッロ氏は欧州連合(EU)残留の是非を問う国民投票を提唱しています。そして新党「五つ星運動」を結成し大躍進します。EUから脱退し、挙句「野垂れ死に」の形でEU第3位の経済大国イタリアがデフォルトされますと国債の持ち合いで凌いできたEUの他の国が最悪共倒れになります。EUは大変な爆弾を抱え込んでしまった様です。ヒゲでした。(私見が長くてすみません。m(__)m)