晴読雨読~個人的な読書メモ2
先日のメモの続き…。今回は購入したもの編坂口安吾ブームは、まだまだ私の中で盛り上がっていてついに、書店で2冊購入。檀 一雄「太宰と安吾」新潮日本文学アルバム「坂口 安吾」無頼派仲間の檀 一雄が盟友である2人について書いた文章の集大成。なんつうか、安吾も太宰も名家コンプレックスからけったいな生き方を選んだんやねえ~。普通にお坊ちゃんやって、親の事業ひきついで実業家になれたかも知れんのに。アルバムの方は、私のミーハー心をおおいに満足させてくれる。坂口家の家族写真とか、住んでいた下宿とか、奥さんとのスナップとか。デスマスクの写真まで載ってるのだ。安吾の葬儀の時の、川端康成のメッセージがよいの。**********************************すぐれた作家はすべて最初の人であり、最後の人である。坂口安吾氏の文学は、坂口氏があってつくられ坂口氏がなくて語れない。**********************************さて、私は書評を読むのも好き。特に毎度すごく期待しているのが斎藤美奈子氏の書評ならびに文芸エッセイ。この方のおかげで、どれだけ読書の世界が広がったことか。そして本との付き合い方も変えさせられた。文豪や名作にも、ツッコミ入れていいんですね、姐さん。ここで笑ってもいいんですよね。という、楽しさを教えてくださった心の師匠の一人であられる。今回は「文芸誤報」を購入。私は現代小説にうとい。あまりピンとこないのだけれど、斎藤姐さんの文章を読めば、よっしゃ読んでみたいなあという気になる。何冊かすでにピックアップして、次に読む本リストに加えた。他は、昔から購読している「旅行人」という雑誌。もともとは、「流星通信」というバックパッカー向けのミニコミ誌だったけどすこし前に、立派な月刊誌になった。しかし、今では年2回の季刊に。時代も変わるし、旅のスタイルも多様化する。昔は、本当に旅に出る人に即、役立つ情報が中心だったけど、最近は読み物としても内容が充実している。今回は「キューバ」特集。実際に出かける人もそうでない人も絶対楽しめる。旅そのものを、色んな角度からマニアックに取り扱ってる雑誌なので普通のガイドブックじゃ物足りない方はご一読あれ。そして、旅モノ本もうひとつ金子貴一「秘境添乗員」元・添乗員としては「添乗員もの」ジャンルの本は気になる存在。私自身も、ツアーの中での事件など、色々記録に残しておきたいなあという思いがある。添乗員という仕事は、初めて会うお客さんといきなり寝食を共にし一度しか会わない人だという意識からか、けっこうお客さんの深い悩みや、告白など聞かされてしまうことがあるのよね。もちろん、守秘義務があるから全ては書けないけれど、ツアーという特別な世界で起こる色んな出来事は、よくも悪くも刺激的。またねえ、添乗員自身が、そうとうクセモノ揃いでしてね~。いい大学出て、入社してくるのは正社員の営業さんや内勤組で添乗員というのは、学歴も経歴も国籍もバラエティ豊か。旅行業界ではプロテンという呼び方をすることもある添乗員はツアー1本ごとの契約を結ぶ個人商店主であり、自分の特色で勝負する職人でもあるのね。だから、同業の方がどんなスタイルで添乗をしているのか興味津々。それに添乗員はタレントに通じるものがあると私は思っている。その人の魅力次第で、同じパックツアーでも感じ方が変わる。魅力というのはルックスだけじゃない、知識や振る舞い、ハートの部分。業界ウラ話的なものって、添乗に限らず面白いけれど旅の仕事ゆえ、舞台が多彩なのがこのジャンルならではの楽しみ。この著者は、アラビア語が特技ということもあり本当に特殊な国や地域への添乗ネタが満載。他は、知るヒトぞ知る、少女探偵もの。ナンシー・ドルーの文庫版。少し昔のアメリカが舞台。女子の皆さん、心あたりないっすか?学校の図書室に「しょうじょたんてい・ナンシー」的な絵が多い分厚い本あったでしょ?懐かしくて、復刻版というか文庫で出てから全部買ってます。ナンシーのキャラクター設定って、よく考えたらイラッとせんでもないお嬢様やねんな。本人は、チャーミングで上品で親切で友情にあつい。家族は、娘を愛し協力してくれる弁護士のパパと優しい家政婦さん。裕福なお友達に、ボーイフレンドまで。そのくせ、旅先でステキな男子との出会いもあり~ので。だけど、ちゃんと作者は非のうちどころの無いヒロインに過酷なアクションシーンも用意する。アメリカーナらしく、不屈の魂で脱出したり、謎を解いて強さも描く。そこでバランスとってる感じがする。大人になってから読む少女小説はたまらんねえ。昔のコバルト文庫なんかも探したくなってきたよ。