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白山菊理姫

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2006.05.11
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カテゴリ:メディア
黒三の悲劇1
立山連峰の大パノラマの中に忽然と現われる巨大なアーチ。堤高186メートル、堤頂長492メートルという黒部川第四発電所のダム、通称黒四ダムだ。立山黒部アルペンルートのハイライトの一つとして、毎年数十万人の観光客が見学に訪れる。

しかし、黒四ダムのことを知っていても黒部川第三発電所のダムのことを知る人は少ない。さらにその黒三ダム(仙人谷ダム)が、大勢の朝鮮人労働者の犠牲の上に成り立っていることを知る人はもっと少ないはずだ。

黒三ダムは1936年から5年の歳月をかけて完成した。その際、欅平から仙人谷までの6キロを資材運搬ルーとして結ぶため、欅平の山の中に標高差200メートルのトンネルを掘らなければならなかった。まず横穴を延々と掘り、そこから一気にエレベーター用の竪穴を掘るという大事業であった。

ところが横穴は、60メートルほど掘り進むと温度が75度に上がった。さらに進むと85度、最後には120度という灼熱地獄の様相を呈してきた。吉村昭の小説で知られる『高熱隧道』である。

黒部川の冷水をホースで作業員にかけながら続く作業は困難を極めた。高熱隧道での作業は一人10~20分が限度であった。またこの熱さでは、作業で使うダイナマイトも爆発してしまう。それでも、断熱材でダイナマイトを包んで装填するなど工夫をこらして、何とかトンネルを掘り進めたのである。過酷な作業ゆえに作業員が火傷を負うなど日常茶飯事。命を落とすものも少なくなかった。

この難工事のいちばんの悲劇は1938年12月27日午前2時ごろ下新川郡宇奈月町(現黒部市)志合谷で起きたホウ雪崩であった。ホウ雪崩とは富山などの豪雪地帯で起きる大規模な煙型乾雪表層雪崩。強烈な爆音とともにものすごいスピードで崩れ落ちてきた雪の大塊に作業員宿舎の3,4階が吹き飛び、84人の人間の命を奪ったのだ。

一体犠牲者はどのような人たちであったのだろうか。朝鮮人労働者はどれだけこの工事に従事していたのか。彼らは強制的に働かされたのか。どのぐらい過酷な労働であったのか。

富山支局にいるとき、私はこの話に興味をかきたてられ、何とか記事にできないかと考えた。当時を知る人も少なくなっており、今のうちに証言を集めなければと思ったのだ。
(続く)





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最終更新日  2006.05.11 10:10:18
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