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テーマ:不思議な世界(697)
カテゴリ:不思議な世界
▼魔の方角4
エータ星の剣先が魔の方角を指し示すというのなら、ではその魔力の正体は何なのか。 内田は磁石の針が魔の踏み切りや魔の交差点付近で反転することから、人間の判断や行動を狂わす磁気を帯びた物質が宇宙から飛来するのではないかと考えた。その飛来する方向を示しているのがエータ星の剣先である、と。 これに関連して内田は、江戸時代の学者・平田篤胤の説を参考にしている。平田によると、北斗七星のエータ星とオリオン星座のゼータ(ζ)星を結ぶ線の方角が「魔が差す」方向である、つまりそこには「天のひび」があり、そこから暗殺剣、五黄殺といった恐ろしい魔が降ってくるのだという。 この「天のひび」こそ、磁北極の辺りであり、地球の電気的、時期的な窓ではないかと内田は考えた。この窓から、荷電微粒子や中性微粒子や電波が流れ込んでくる。荷電微粒子は人間の周りの磁場に変化を与える。そして磁場の変化が人間の判断力や行動を狂わせる。 そのような現象は、実際にありうるのだろうか。私は、内田のことをよく知る、知人の大学教授に聞いてみた。すると彼はこう言った。「宇宙や地球のある場所から人間に悪影響を与えるというプラスイオンが出ているとして、その地点に近づけば調子が悪くなり、遠ざかれば調子がよくなるということはありうるかもしれない。魔の方角が存在する可能性はある」 今でこそ、マイナスイオンは健康にいいとして商品化されたり、科学的根拠がないとして非難されたりしているが、内田がこの研究していた1960~70年代当時は、プラスイオン、マイナスイオンという考え自体、ほとんど知られていなかった。内田は魔の方角、魔の交差点、魔の踏み切りといった魔の研究を進めるうちに、このマイナスイオン、プラスイオンが人間にもたらす影響についても科学的考察を進めるようになるのであった。 (敬称略=続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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