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天の王朝

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白山菊理姫

白山菊理姫

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2008.03.01
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テーマ:いい言葉(576)
カテゴリ:文学・芸術
▼花瓶の薔薇(マラルメ36)
薔薇が出てくるマラルメの詩も今日が最後となります。1887年に発表されたマラルメ後期の純粋な象徴詩で、最も難解なものとされています。最後まで苦しませてくれますね。解説者泣かせのマラルメです。

ソネットで書かれた三部作のうちの二つ目で、無題ですが「はかないガラスの壺の膨らみから・・・」と呼ばれています。

TRIPTYQUE II(三部作の2)
Surgi de la croupe et du bond…
(はかないガラスの壺の膨らみから・・・)

Surgi de la croupe et du bond
D’une verrerie éphémère
Sans fleurir la veillée amère
Le col ignoré s’interrompt.

はかないガラスの壺の
膨らみから飛び出したような頸は
苦い夜を花で飾ることもなく
未完成のまま放置されている。

Je crois bien que deux bouches n’ont
Bu, ni son amant ni ma mère,
Jamais à la même Chimère,
Moi, sylphe de ce froid plafond !

その恋人も私の母も、二つの唇は
同じ夢幻のための祝杯を飲み干したことは
決してなかったと私は信じている。
この冷やかな天井に漂う空気の精である私は!

Le pur vase d’aucun breuvage
Que l’inexhaustible veuvage
Agonise mais ne consent,

尽きることのない孤独以外は
いかなる液体も入っていない
純粋な壺は、もだえ苦しむ。それでも、

Naïf baiser des plus funèbres !
À rien expirer annonçant
Une rose dans les ténèbres.

最ももの悲しい純真な口づけよ!
一輪の薔薇を暗闇に予言しておきながら、
壺は何ものも吐き出そうとしないのだ。


ちょっと時間がないので、詳しい解説は後になりますが、この詩を解釈するヒントとしては、「壺」はマラルメの未完の詩であるということでしょうか。第二節のその恋人とは、ミューズの恋人であるマラルメのこと、私の母とは、詩人の母なるミューズのことです。一輪の薔薇は美しい詩句のことでしょうか。詩作の苦悩と希望が描かれていると解釈します。

それでは後ほどまた、解説いたしましょう。
(続く)





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最終更新日  2008.03.01 11:39:05
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