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テーマ:歴史なんでも(780)
カテゴリ:不思議な世界
当日、私は練習した通り右のウィングで先発しました。
実質的には相手は三年生主体のチーム、こちらは二年生主体のチームでハンディがあるのですが、結構接線になりました。 私の記憶では先制したのは我々のチームです。 スタンド・オフの二年生の原君が、パスダミー(投げると見せかけて投げないで、タックルのタイミングを外して抜き去る技)を入れて相手の隙をつき、ディフェンスラインを突破、いきなりトライしたと思います。 その後一進一退の攻防が続き、前半の終わりころ、私のところにもチャンスが回ってきました。 自陣の攻防で、目の前でマイボールのラック(地面にあるボールを奪い合う密集戦)となり、スクラムハーフの二年生の村田君と目が合います。 そのとき相手ディフェンスに隙があるのがわかっていましたから、私から声を出してボールを求めます。 すると、村田君はスタンド・オフの原君ではなくて、ウィングの私にダイレクトでパスしてくれたんですね。 私はそれを受け取ると、いきなり猛ダッシュ。 対面のディフェンダーを初速の速さで抜き去ると、得意の快足で右のライン際を猛スピードで駆け抜けます。 もう無我夢中でした。 たぶん自陣二〇メートルくらいのところから独走態勢に入って、距離にして70メートルくらい走ったでしょうか、右隅にトライを決めました。 人生初トライです。 その後の試合経過はよく覚えていません。 覚えているのは後半、対面にいた選手を練習で教わった通りのタックルで、一発で倒したことです。 バインドもうまく行って本当に綺麗に決まりました。 しかし、ここで問題が発生。倒した後、どうすればいいか聞いていなかったんですね。 本当はタックルが成立した時点でバインドを外し、立ち上がって地面に置いてあるボールを拾い上げてプレイを続行すればよかったのですが、どうしたらいいかわからず、地面でじっとしていました。 倒された相手もタックルされたままなので、身動きがとれずボールの上に軽く手を置いて、味方に「早く来い」と叫んでいます。 ラグビー部の人が見たら、結構滑稽な場面だったかもしれません。 そうこうしているうちに、味方も相手も集まってきて、通常通りのボール争奪戦が再開されました。 まあ、ルールを知らない素人ですから、ご愛敬ですかね。 試合はおそらく僅差ですが、我々のチームが負けたと思います。 それでも二年生主体チーム対三年生主体チームの対戦みたいなものですから、大健闘だったらしく、負けたとはいえ、皆自信を深めていたように記憶しています。 これで何とかやれるぞという感触をつかんだようです。 70メートル独走トライと、一発タックルで、私の評価はうなぎ昇りだったらしく、試合後コーチの大学ラグビー部の人が私を抱きしめてくれて、「感動したよ」と言ってくれました。 いつもの「かけっこ」をしただけなのに、そんなことを言ってくれたので、私も感激して、とても嬉しかったことを覚えています。 ラグビーの試合は、本当にワクワクするほど面白かったです。 野球とは一味も二味も違うさわやかな感動がラグビーにはありました。 こうして人生初めてのラグビーの試合が終わりました。 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.01.25 18:30:53
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