よろず屋の猫

『CLAYMORE』の最新巻を読みましたので、その感想です。
表紙はクラリスとミアータ。



週刊ジャンプに掲載された読みきりが２本入ってるので、余り進まなかったなって感じの14巻ですが、次の巻への楽しみが高まりました。


聖都ラボナに到着したクラリスとミアータ、お久しぶりのシドとガークも登場。
ラボナの街はクレアの妖魔退治の一件以来、クレイモアに対する態度が随分と改まったようです。

クラリス達の目的・ガラテアはシスターとなって身分を隠していたが、二人の妖気を感じ取っていた。
妖気を抑えて瞳の色を変える薬を持っていられないほどの長い年月。
ガラテアは瞳でクレイモアと分からないように、自らの目を潰していた。

凄まじいですよねぇ。
ガラテアがラボナの街で見つけたやすらぎをどれだけ愛していたかが分かろうと言うもの。

ガラテアに斬りかかるミアータ。
しかしガラテアは、はかりごとがあった。

目的はかつてのナンバー2の覚醒者・鮮血のアガサ。
アガサもまた覚醒者であることがばれない為に慎重に人を襲っていたのですが、ガラテアとミアータの戦いの気配を感じ取って、本性を表す。

これがまた凄まじい描写でして。

その血を浴びて喉を潤す為だけに、人を切り刻む。
「贅沢だわ。今まで我慢した分、今日は豪勢に行かせてもらうわ。」
「さぁ、散って見せて。私の身体にその内なる血肉を浴びせて頂戴。」

このマンガの覚醒者たちは、その姿も、性格も、敵として本当に魅力的だと思う。

攻撃をかけるラボナの兵士達、当然ながら全然かなわない。
そこに来たガラテア、用心深いアガサを討伐するために、自分を餌にクレイモアを呼び寄せた。
しかし思惑が外れる、クラリスは「自分達の優先事項はガラテア粛清」、ミアータはガラテア以外は目にも入らない状況。
ガラテアはミアータの攻撃を凌ぐのに手一杯で、アガサどころではない。
そしてガラテアはミアータに片腕を斬られる。

一方、命を顧みず一か八かでアガサに攻撃をしかけるラボナ兵士を目の当たりにするクラリス。
兵士が首を取った!!、と思いきや、本体はそこではない。

うぇー、首から足がボコボコ出て来る姿はさすがに気持ちが悪い。

ミアータの力が落ちている、いつの間にかアガサに少しずつダメージを与えられていた。
ミアータは少女なだけに、腕や足が細った姿が痛々しい。

アガサがクラリスに攻撃し、ミアータは「ママ」を守るべくアガサに向かう。
しかし力が落ちてる彼女は腕二本を失う。
ガラテアは既に捕らえられて串刺しの状態。

拙いながら腕をつなげたミアータは「ママ、逃げて、死なないで。」
そして本当に逃げ出すクラリス。
...orz...

・・・と思いきや、アガサの頭上から攻撃をしかけ、クラリスを助け出す。

今まで勇敢なクレイモアたちがいっぱい出てきましたけど、クラリスを見たとき、「人間を描けてるなぁ」って思いました。
恐いに決まってますよ、私だって逃げ出しますわ。

弱くて、逃げ出したいほど恐いと思ってるクラリス。
けれど自分を「ママ」と呼ぶミアータを助けずにはいられない。

良いですねぇ、私は好きです、こう言う人間臭いキャラって。

しかし絶体絶命のガラテア、クラリス、ミアータ。

そこに仕掛けられたアガサへの攻撃、それはアガサの体の一部を消滅させる。

クレアたち、北の戦士登場!!

ここで次巻へ・・・ですー。


キャラの心情をしっかり描く『CLAYMORE』、今回は上にも書いたとおりのクラリスと、ガラテアが描かれてました。

自分の作戦が上手く行かないことも想定していたガラテア。
それでも可能性にかけたのは、街を、そこに住む人々を守りたいと言う思いから。

アガサに「笑えるほど軟弱で愚かな理由。」と言われて、ガラテア自身も「私もそう思う。」
「だが意外と悪くない。」
↑このセリフが良いですね。

クレイモアの過酷な生活を送ってきたガラテアが、街にどれだけの思いを抱いているのか、それが安らぎになったのかが分かろうと言うもの。


クラリスとミアータですが。
ガラテア粛清だけだったとしても、二人には荷が重かった気がする。
組織の事だから、上手く行けば万々歳。
ダメでも、力のないクラリスと、精神的に危なっかしいミアータだから、居なくなっても構わない位に思ってたんじゃないかと邪推したくなる。

で、現れたクレアたち。

クラリスとミアータは、これでガラテア粛清は完全に失敗だから、組織には帰れないですよね。
仲間になるんですかね。
ミアータが次の覚醒者と思ってましたけど、予想が外れそう。
でも外れた方が嬉しいわ。


読みきりは、プリシラがイースレイに出会った時の話と、クレアの最終試験の話。

週刊ジャンプの感想から一部コピペ。

『北の邂逅』

プリシラが覚醒したあとにイースレイに出会う話でした。
覚醒後の空虚な感じで街を襲いまくってます。
ちなみに裸、でもエロイと言うより綺麗。
目に余ると言う事でイースレイがリガルドを戦わせる。
しかしリガルドは全然叶わないので、イースレイ本人が戦うことに。

圧倒的に強いイースレイ、しかしリガルドはプリシラへの恐怖が消えない。
プリシラは幼児退行、口からでる言葉は「パパ、ママ。」
瞬く間に再生したプリシラは、イースレイの半身を削ぐ。
イースレイはプリシラに忠誠を誓い、命にかけてプリシラのパパとママを見つけると約束する。

この話は読みたいと思ってたので嬉しかったです。
ジャンプで読んだ時は、イースレイには思惑あり?と感じたんですけど、まさか一目惚れとは思いませんでしたわ。


『錆なき覚悟』

テレサが死んでその血肉を受け継いだクレアの訓練生の時の話。
妖魔ではなくテレサなので“特殊体”扱い、やっぱり実験なんだろうなぁ、組織にとっては。

ロングストレートヘアーのクレアが可愛い。
クォーターのクレアには大剣が負担。

最終試験は五対五の実戦に近いもの、勝った方が戦士に昇格。
ショート髪クレイモアとはチームが分かれる。

妙な気配に一人で行ってしまうクレア、自由行動はこの頃から。
切りかかってきたショート髪クレイモア、クレアは様子がおかしい事が気にかかる。
クレアの行った先にはショート髪のチームの死体。
ショート髪は後ろから妖魔に突き刺される。

あぁ、やっぱり組織が仕組んだことですか。
ホント、イヤなヤツらだなぁ。

ショート髪を引きずって家の中に避難のクレア。
「テメーなんかに助けてもらうぐらいなら死んだほうがマシだ。」と言うショート髪に、
「簡単に死ぬとか言うな。醜態を晒してでも最後まで生き残るみちをさがし足掻け。」とクレア。

クレアの髪を見て、指を伸ばして壁ごと突き刺す妖魔。
しかしそれはトラップ、クレアが一撃で妖魔を仕留める。

クレアが今のボブヘアーになったいきさつの話でした。
「長くても短くても私は私だ。」がクレアらしい。
最後のクレアとショート髪のやりとりも良い。

ショート髪、あえて名前つけなかったのかもだけど、良い話だし、やっぱりちゃんと名付けてあげて欲しかったと言う気持ちでいっぱいです。