よろず屋の猫

終わりも近いと聞いていますので、じっくり大切に読みたいと思っているのに、ページをめくる指が止まらない!!。
別格の面白さだと思うなぁ。



既に来年のカレンダーの予約が。

【予約】 鋼の錬金術師 コミックスペシャルカレンダー2010


先ずアル vs プライド & キンブリー。

元の身体に戻るのに賢者の石を使いたくないアル。
ハインケルはその意志を尊重しつつ、「こいつらも一緒に戦わせてやってくれ。」と。

「どんな外見になったって、大事な物を守るために戦いたいんだよ。」

アルに賢者の石を使わせるのに、ちゃんと説得力のある理由をもってくるところが良いです。

賢者の石を使ったアル、強い!!。

何かを得るためには、何かを犠牲にしなければならない、とキンブリー。

「元の身体を戻って皆を救えない」or 「元の身体は諦めて皆を救う」
「何で二択なの?」とアル。

「元の身体を取り戻して、かつ皆も救う。」とアル。
ならば、「あなた方は元に戻れず、皆も救えない。」もある、とキンブリー。

こう言うやりとりが好き。

プライドの影に、地面に縫いとめられたアル。
しかしアルは「一人じゃない!!。」

賢者の石を使うマルコ、そして風上からハインケルがキンブリーを襲い、喉を食いちぎる。

ここでヨキが大活躍。
イヤ、もう、ホントに良い味を出してますよ。
ごく初期からずーっと登場しているんですけど、ヨキはヨキなりに面白いキャラになりました。

車に乗って逃げ、セントラルのエドたちと合流を図るアルたち。

でもこれってプライドの思惑通りなんですよね。
“人柱”の存在を集めたいんだし。

一方、アルたちだってそれは分ってるだろうけど、セントラルに行かないわけにはいかないしね。

プライドはキンブリーを取り込む。

↑この戦いと前後しつつ、アームストロング師弟 vs スロウス。

23巻は、アームストロング師弟の戦いがメチャメチャ面白い。
やっぱり師弟なんですねー、って思わせる二人です。
アレックスは身体を張ってオリビィエを守るし、オリビィエは普段はケチョンケチョンにアレックスをこき下ろしてますが、やっぱり信頼があるんだなぁ。

そして「アームストロング家は我が輩が継ぐのですら、手続きをしてから死んでいただかないと。」(by アレックス)なーんてやりとりが戦いと、軍から銃殺命令と言うシリアスな状況の中で入っちゃうところが『ハガレン』。

スロウスは“最速の人造人間・ホムンクルス”。
しかし自分でスピードを制御出来ない。

これで性質が“怠惰”でなかったら、ちゃんと制御できるようになってて、強さも段違いだったでしょうに・・・。

↑この戦いと前後しつつメイチャン vs エンヴィー、そしてエド & スカー(そしてジェルソ、ザンパノもいる) vs 気持ち悪い人造人間がうようよ。

エドたちは、相手の多さに如何せん疲労。
しかしそこに炎と共に大佐登場。

久しぶりにカッコ良い大佐が見られましたよ!!。

「君の泣き顔が思い出される、またああいう素直な涙がみたいものだね。」
「水分は大嫌いなんじゃないですか?、無能になるから!。」

等と言う、ロイ・アイ派にはたまらないやりとりも。
しかしロイ・アイ派を楽しませてくれるのは、これ以降!!。

天井が崩れ落ちて、メイチャンとエンヴィーが落ちてきて、合流。

ロイはエンヴィーが、ヒューズの仇と知る。

「もう喋らなくても良いぞ、エンヴィー。まずその舌の根から焼き尽くしてやろう。」

ロイ、凄い迫力。

一方、ラジオ局ではロイの部下達が画策して、反軍の放送を展開中。
これが戦いの合間の息抜きのシーンになってますが、面白いんだな。


ロイにエンヴィーをまかせるように言われて、先に進もうとするエドたちだが、ロイの事が心配なエド。
しかしそれはロイが負けると言う心配ではない。

リザも同じ懸念をもっているが、いざとなったら自分が何としても止める覚悟のよう。

で、ロイ vs エンヴィー。
ロイはピンポイントで目などを焼きつつ、大火力の炎を使う。

まぁ、この戦いはロイが有利ではあるんですよね。
ロイは前にラストと戦っているので、対ホムンクルスの戦い方を知っている。
再生が追いつかないほど、焼き尽くせば良い、と。
一方のエンヴィーは、ロイが大事なお父様の“人柱”である以上、殺すわけにいかないし。

でまた、エンヴィーがおバカなんだな。
ヒューズの奥さんとか、ヒューズ本人の姿をとったりして・・・。
ロイ相手に、しかもこの状況で、やっぱり火に油をそそぐだけ。

エンヴィーは逃げ、リサを見て一計を案じる。

フッフッフッ。
ネッ友さんのネタバレを読んで楽しみにしてましたよ。

ロイはリザと合流。
しかしリザはロイに拳銃を向ける。

「大佐はね、二人きりの時、“リザ”って呼ぶのよ。」

嘘・・・なんですけどね、偽ロイ＝エンヴィーを引っ掛けるための。
ロイにエンヴィーを殺させたくないリザは撃ちまくる。
が、エンヴィーに捕まってピンチ。
そこにロイがやってくる。
ついに卑小な本体になってしまうエンヴィー。

ここからの復讐に取り付かれてエンヴィーを殺したいロイ。
それを止めたいリザ、エドたちのやりとりが本当に良い。

やはり心配になってやってきたエドとスカー。

同様に、復讐に取り付かれて畜生の道に堕ちたスカーは止めない。
しかしそんな人物が「どんな世を成すのか見物だなと思う。」

復讐で殺しあっている『鋼の錬金術師』の世界。
それを変えたくて、トップに上り詰めようとしているロイ。

復讐でエンヴィーを殺しては、その資格はないってことですね。
エンヴィーを殺すというなら、そのロイを殺して自分も死ぬ覚悟のリザ。

ロイ・アイと浮かれている私が書くのもなんですが、これが恋愛がどうかってことより、もっと純粋な「愛」なんだなぁって思いますねぇ。

「子供に怒られ、私を敵と狙っていた男に諭され、君にこんな真似をさせてしまった。私は大馬鹿者だ。」

この後の、エンヴィーの死に繋がる良いセリフ。

この状況は確かに変ではあるのですよね。
スカーにとってロイは民族の仇で命を狙っていた。
そのスカーは、エドの大切な幼馴染・ウィンリーの両親を殺している。
それでも目的を一つにして、今は一緒に戦っている。

お互いの関係の事実を挙げ連ね、たきつけるエンヴィー。
エドは「おまえ・・・人間に嫉妬しといるんだ。」

ホムンクルスよりずっと弱い存在のはずなのに、叩かれても、へこたれても、道をはずしても、倒れそうになっても、綺麗事だとわかってても、何度でも立ち向かう、周りが立ち上がらせてくれる。

屈辱だよ、クソのような人間にいいようにやられて、しかもそのクソの中でも更にクソみたいなガキに理解されるなんて。

涙を流しながら、自らの体内から賢者の石を取り出すエンヴィー。
嫉妬している人間の、その姿をいくつも取りながら、人間を翻弄したエンヴィーの最期でした。

このエンヴィーの死のシーンは、、“嫉妬”を描いて、今までのホムンクルスの死の中でもとても良かったと思う。


さて、vs スロウスですが。
肩を脱臼とか、怪我とかで両手を使えずに大苦戦中のアレックスでしたが、スロウスの攻撃で肩が入っちゃう。
これでスロウスをやっつけられるかな?。

軍作戦本部に、ブリッグズ兵が乱入。
サポートするのはイズミ!!。

「誰だと聞かれりゃ“主婦だ”と名乗る、それが私の作法だが、今日ばっかりはあえてこっちを名乗らせてもらおうか。錬金術師だ!!!。」

くー、私は師匠・イズミさんが大好きなので、このカッコ良い登場は嬉しくなってしまいましたわ。

反面、“錬金術師”と名乗ってることに一抹の不安が・・・。

“主婦”と名乗っている限り、ベースはやっぱり肉屋の素敵な旦那さんの奥さんなんですよね。
でも今は“錬金術師”と名乗って、それはこの状況の中では、ベースを捨てて、戦いに身を投じる覚悟みたいなものを感じてしまって。
イズミさん、身体弱いし、戦いの中でって言うより、戦いの後にでも死んでしまうような気がして・・・。
私の考えすぎに終わって欲しいものです。


前に『ハガレン』のコミックの感想を書いた時に、七つの大罪を自分から切り離して、ではお父様に残ったものは何だろうって書いたことがあるんですよね。

七つの大罪って言うのは、キリスト教における、人間を罪に導く可能性のある欲望のことで、ま、戒めでもあるわけです。

で、お父様ですが、七つの大罪が無くなって、罪を犯す心配のない人間?になったかと言えば、あの通りだし。

もっと根源的な欲望、生存本能とか、そんなものでしょうか。

もし「完璧な人間になりたい」とかだったら笑っちゃう。
余りにも人間を理解してなくて。
七つの大罪を切り離した時点で、それはもう人間じゃないんですから。
人間って言うのは、色んな欲望を持ってて、それに足掻いて、それでも何とか良く生きようとしているもの。

エドサイドの登場人物が必死に足掻いて、今、一緒に戦おうとしているようにね。





お楽しみのカバーを取った表紙と背表紙。

“お父様”がホーエンハイム子供ならば、エドとアルは、ホムンクルス達のおじさん。

このマンガ見るまでは、あの気持ち悪いうようよ人造人間はノーパンだって気付かなかったのに・・・。

おまけにWill用ソフトの『暁の王子』の導入部分のお話。




24巻は12月に発売予定だそうです。
暗転とか書かれちゃってて、凄く心配。