カテゴリ:彼の彼女になる条件 小説
またまた、小説。今日も明日もOFFだったのにバイトはいった↓↓
しかも股関節いてぇ。。。。 でゎ 彼の彼女になる条件 ずっと、ずっと好きだった。それこそ世界中で一番な位。今日あたしは契約を破る。最低な悪魔男との契約を破る。きっと、捨てられるんだろう。使い捨てのティッシュみたいにボロボロになって地面に捨て置かれるのだろう。 携帯の画面。隼人の番号。1つのボタンを押せば繋がる声。出てくれるかどうかは解からないけど。1つ押せば解放される。自ら入った場所から解放される。自分の想いからそしてあの人の張り付いたような笑みから。 今、押す。 震える携帯。マナーモードのままだった。待ち受けには名前があった。今かけようとしていた人の名前があった。 「もしもし、カナ?ちょっと、会いたいんだけど」 卑怯だ卑怯だ卑怯だ。諦められなくなる、縋り付きたくなる。期待してしまう。それじゃあ駄目だってようやく気付いたところだったのに。 「何か用だったぁ?」 「いや、なんか最近会ってないなぁとおもったからさ」 止めてよ、普通のカップルみたいな会話、似合わないよ。好きな人いるくせに、そういう態度取れるの?卑怯だよ。 「二人で会うの?」 「二人で会う以外、誰がいんだよ」 「あたしって、道具じゃないの?」 「道具?」 「そう、道具。餌をおびき寄せる道具」 「何それ?そういう風に思ってたわけ?ってか、付き合うとき詮索はするなって言ったよな?俺とそんなに別れたいわけ?」 「いいよ」 「俺の次は、誰?」 「別に関係ないじゃん。いいこと教えてあげるよ、きっとね優子はあんたが好きだよ。だけど、今の関係壊したくないから黙ってるだけであって。男なら自分から告れば」 何もいわずガチャリと切る。自分で言って、酷い自己嫌悪に陥る。ずるずる引き摺って付き合うのはらくだ。苦しいけど楽だ。だからこそ終止符を打つのにためらう。その先が見えないから。たったの数日が輝いて見える。哀しくて苦しいだけの恋は終わりにしなきゃ。だけど、まだやるべきことはある。再び携帯のアドレス帳を開く。えっと、マ行、マ行。見っけ、峰優子。080‐36××‐753×。すぐに繋がった電話の相手は少し不機嫌そうな声をしていた。 「もしもし、何?」 「あたしさ、隼人と別れた」 「はっやいねぇ、あんたずっと好きだったじゃん。それが何でまた?」 「噂、あったでしょ。隼人の好きな人っていうの、あれあたしじゃないんだ」 「え、ってことは隼人は他の子が好きなのにあんたと付き合ったわけ?最低じゃん!!!!」 「でもさ、結構あいつの好きな子いい奴だったわけよ、それにどうやら両想いっぽいし」 「えぇ!!!!あんた、そんなに軽く引きさがんの?戦いなよ!!!!」 「優子、あんたの本当の好きな人って誰?」 「何さ、急に。今そんな話の流れじゃないじゃん」 「隠すのやめなよ、いい加減素直になれば?あたし、あんたのそういうところ嫌いだよ。何で自分の気持ち隠すのさ。好きなんでしょ、ずっといえなかったくらいに好きなんでしょ?」 「何言ってんの?あたしの好きな人は隼人なんかじゃないよ」 「ごまかすの、うざい。違うならいつもみたいな態度とってみなよ。あたしは、好きだから告った。だけど隼人はやっぱり優子の事が好きなんだって」 「うそだぁ、いっつも喧嘩ばっかりで」 「いいから。今家にいるっぽいから、電話してあいな。んで、自分の気持ちいいなッッ」 「ごめん、カナ」 「謝るのいいから、今度ケーキバイキング奢りね」 「調子に乗るな」 「調子出てきたじゃん、その勢いでガンバレッッ」 「サンキュッッ」 嘘を吐いた。自分の気持ちに嘘を吐いていたのはあたしだ。本当は、このまま流れに身を任せて付き合って居たかった。もしかしたら遠い未来でもなんでも、このまま付き合い続けていたら好きになってもらえたのかもしれないから。100パーセント中1パーセントの望みであったとしても、本当の意味で付き合えたかもしれない確率はたしかにあった。だけど今その芽を摘んだ。誰の手でもない、自らの手で。何でだろう、解からない。急に、あのむせ返る様な暑さの美術準備室に行きたくなった。黒いカーテンの暑い暑いあの部屋へ。汗がタラタラ、走り出すあたしの足。制服に着替えて、Banとシャーペン一本入ってる鞄。いる筈の無いあいつに会いたくなった。きっとあたしは最低なんだ。このやりきれない気持ちをあいつにぶつけてやりたいと。そして、あいつはそんなあたしのこの最低な考えを受け入れてくれるんじゃないかと。こんな時間じゃいるはず無い。だけど、胸躍るこの感覚。あぁ、そうかあたしはあいつに会えることを期待してるんだ。なんで、期待なんかしてるんだ?わからない、今は解からなくてもいいや。そうこう考えてるうちに、校門の前まで来た。薄暗いといってもまだ夕方の6時ちょっと前。オレンジの太陽光があたしを照らす。オレンジ色に光っている校舎。何気に少し恐い。走ってみる、4階の美術準備室まで息を切らしても、走り続ける止まらない足。 ガララッッ ビックリしている顔。 「何で、芝山がいんの?」 「やっぱいた」 「どうした?息切らして、あっもしかして俺に会いたくて堪んなくて走ってきた」 いたずらっぽくに光る眼。 「そうだって言ったら?」 「冗談?それとも本気?」 汗でべとついた前髪をごつい手が払う。 「別れた、やっぱあたしはもっとかっこいい男じゃないと駄目だったみたい」 「んで?」 「しかも、恋のキューピッドまでやっちゃったよ、あたし精神的マゾ?」 乾いた笑い。 「俺、好きだよ」 「だぁからッッ!!!!なんで、そんなにあっさりいえるのかなぁ、羨ましいよ。まぢで」 「聴くから。全部愚痴っていいよ」 「やっぱいうと思った。あたしあんたの事好きじゃないけど、あんたには甘えてんだよね」 夕方準備室。初めて自分から会いたいと思った。前に思った腕のあったかさは変わっていなくて。その優しさが、全てを受け入れてくれそうな眼が愛しくて、切なくて腕の中でワンワン泣いた。ぐしゃぐしゃ醜い顔で、マスカラ落ちてパンダ眼になっても ワンワン泣いた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 26, 2007 07:11:20 PM
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