♪今のままでいいんだよ~スローバージョン
『The Eternal Bridge.』(3rdアルバム)』収録曲。2003年の冬に、自由が丘の南口の路上で歌っていた時のことです。僕の歌を聴いて下さっている方からいきなり、「あなた、芝居に出てくださらない!!」と声をかけていただきました。芝居など出来ませんので、これはお断りしなければ、とお話しを聞いていましたところ「イッセー尾形さんみたいな、“ひとり芝居”をやる女優さんがいるのね。その女優さんが演じる“心”を、あなたのギターで奏でてくれませんか!!」ということでした。「そして、お芝居の最後にあなたの歌を歌って下さい~♪」と言って下さいました。あ~、それだったら僕にも出来そうだなと思っておひきうけしました。そして、お稽古をしている時にわかったのですが、その公演の監修をなさっていたのは、なんとあの脚本家の布勢博一先生だったんです(@_@)「熱中時代(先生編,刑事編)」や「NHK朝のテレビ小説・純ちゃんの応援歌」や「たけしくん、ハイ!」や「天までとどけ」…などをお書きになった先生です。僕は水谷豊さん主演の「熱中時代(先生編,刑事編)」が大好きで、学生時代に弟と毎週楽しみに見させていただいていましたので、あの時は興奮しました。布勢先生とプロデューサーの方と脚本家の方で僕の『Street Live』(1stアルバム),『Ballad』(2ndアルバム)の二枚の CD(当時は二枚しかありませんでしたから)を聴いていただいたところ、「あなたの ♪今のままでいいんだよ~という曲を、今回のお芝居のエンディングで、“ゆっくり”歌ってくれませんか!」と言って下さいました。30分くらいのお芝居で、だいたいの内容は~クリスマス・イブの日に昔恋人同志だった二人が、十年ぶりにデパートのお惣菜売場で偶然再会するんですね。そんな時びっくりしますよね!そのびっくりした気持ちを、僕がギターで奏でます。♪ジャジャ~ン彼は「こんな日に再会したんだから、フランス料理を食べに行こう!!」と彼女を誘いますが、“郵貯”とワッペンの貼ってある郵便局の制服をコートの下に着ている彼女は、かたくなにその誘いを断ります。それでも強引に「わかったよ!いいから!」と彼は彼女を連れ出します。僕の出番です。♪ジャンカ,ジャンカ, ジャンカ, ジャンカ~彼が彼女を連れ出している感じをギターで~彼が連れて行ったのは、屋台のラーメン屋さん。「ここならコート脱げるわ!あいかわらず優しいのね! あっ…、雪!」僕の出番です。♪ティントン,ティントン,ティントン,ティントン…~雪が降る感じをギターで~それに続いて僕は“賛美歌”を弾きます。暗転(舞台が真っ暗)になります。明るくなると、今まで舞台の片隅で黒子のようにギターを弾いていた僕がセンターにいます。そして、ゆっくりと歌います。♪今のまんまでいいよ~ こうして四日間八公演やらせていただいたのですが、これがとっても評判良かったんですね。それで、この“ゆっくりの♪今のままでいいんだよ”を『The Eternal Bridge.』(3rdアルバム)』に入れよう!ということになったのです。あの時、路上でプロデューサーの方にお声をかけていただかなかったら、♪今のままでいいんだよ~スロー・バージョン は生まれていなかったかも知れません。ありがとうございましたm(__)m打ち上げの時に、布勢博一先生にご挨拶に伺いました。先生は僕の手を“ギュッ”と握って下さって、「ギター良かったですよ!あなたの歌全部聴きましたよ!いい歌ですね!」と言って下さいました。あの時は、“天まで昇る”ような、いや、“天までとどけ”っていう感じでした。このブログによくコメントを下さる「あいさん」とは、このお芝居の時にお会いしました。あいさんは女優さんもおやりになるのですが、このお芝居の時は美術を担当されていました。芝居が近づいて来た頃になると、あいさんは夜遅くまでお芝居に使う“絵”を描いていました。お芝居に出演させていただくのが初めてだった僕は、「あ~、こうやってみんなで作り上げていくんだなぁ~!」と感動したのを覚えています。お芝居で糸がほつれた衣装を、明日の本番までに!と修繕していたスタッフさんの姿も印象的でした。