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カテゴリ:雑考あれこれ
今日は、のんびりと水泳と読書の日。
今日の一冊は「CIA株式会社」。元CIAの著者が半分自分のスパイ活動を紹介しつつ、ビジネスに適用するとこうなるとか、有益なアドバイスを提示している。まあ、アドバイスといっても、基本中の基本、まずは知らない人、団体には疑ってかかれ、ちゃんと事前調査せよ、ということである。だが、分かりきったことをどれだけ怠る性質を人間が持っているかは、この本を読めばよく分かる。 とっても面白い本である。インテリジェンスとかに興味がなくても、本当によみものとしても十分楽しめる本である。 けれど、経済スパイに関する項は特に面白かった。アメリカを標的にイスラエル、中国、台湾、韓国がえげつないというか、意地汚いくらいに情報収集に力を入れている。そらそうだ、一から開発するより盗んだ方が早い。日本も多少はこの本にでてくるが、意外に節操はあるらしい。その上で、特にこの4カ国には気をつけろという。中国の場合、政府からの監視官がいることはほぼ想定の上だし、協力がいとも簡単に要求される。これは、奨学金などという分かりやすい特典という形でも、中国にいる親戚などを人質にとったうえでの脅迫でも、ありえる。また、イスラエルの場合、在外ユダヤ人はイスラエルに対し忠誠心がたとえ他の国籍を持っていてもあるから、彼らもスパイになりやすい。 事実、中国人はめったに公の場で本音をいうことはない。(いえないことがあるという意味で)あるとき、中国から日中関係の専門家が団体でアメリカの大学にきたことがあり、会食したことがあるが、そのうちの一人は、共産党員。最初から説明された。ああ、この人がみんなの会話を聞いていて、変なことをいわないかチェックしてるのね、というのがよく分かる。確かにあまり話さない。 まあ、中国やイスラエルは感覚として分かりやすい。イスラエルは、しょっちゅうアメリカから「入手」した軍事情報を中国に売ろうとしてアメリカにストップをかけられている。が、韓国も含まれているのは、意外。 多分この4カ国のほかにもフランスもひどいらしい。エールフランスのファーストクラス席に盗聴器が仕掛けられているそうだ。そこで変な会話をしない方がいいですよ。この国も(アメリカも)、政府が得た情報は自国企業の得になるなら提供されるようだ。(フランスの方がより積極的に情報収集に努めているようだが) 気をつけましょう。 また、CIAの士気の下がりようやテロに対する後手後手対応にも触れている。ブッシュのせいでますますCIAの士気は下がることでしょう。また、テロも従来の手法が大きく使えないことが響いて苦戦しているようだ。まあ、イラクにひしめいているテロリスト及びテロリスト予備軍には英語はできないだろうし、アメリカ人がいけばそら目立つしね。 が、不幸にしてアメリカが理解しようとしないイスラム狂信者たちとの戦いは続く。CIAがどれだけ逆襲するか、見ものである。 ちなみに、日本の方がイラクでは現地情報を得るのがうまかったらしい。理由は簡単。現地人を沢山雇っているからテロしそうな親戚や近所の若者は目に付くし、攻撃予定も聞きつけて教えてくれたそうだ。そら、雇われている方も雇い主が殺されていなくなっちゃうよりは、雇用先確保のため情報は流すわな。さらに、日本の自衛隊は礼儀正しく、道を通るときでもちゃんと戦車から降りて通してください、と声をかけるそうだ。米兵は戦車に乗ったまま空に向かって機関銃を発砲するので、嫌われる。(一応米軍の言い分では、戦車に降りている間に狙撃されたらかなわない)が、ちょっとしたことでイラク人には自分たちがどれほど信用されているのか、いないのかが分かるし、大体が機関銃をぶっ放して市民をどかすなんて失礼極まりない。 裏の道を行くのもいいが、素直にイラク人と直接接触して見るのも手だよね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 6, 2007 02:03:50 AM
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