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我思う、ゆえに我あり

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yukie_yo

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January 7, 2008
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カテゴリ:映画
この間テレビでやっていた映画ローレライをビデオにとっておいたのを観た。

一言感想をいえば、荒唐無稽のストーリー展開。ま、ここでいちいちあらすじは書かないが、何がおかしいって言えば、まず女の子の透視能力を使った秘密兵器(ローレライ)って無理ですから。確かに、潜水艦は全く目が見えない状態で音だけで敵方を認識して戦闘するから、見えるってことは非常にすばらしい。が、人間の超能力っていうのはどうよ?

それから、外交ルートにものらないクーデター将校がいくらアメリカと渡りをつけたといっても、100%信用するようなアメリカではない。映画では、クーデター将校がローレライをアメリカに引き渡す代償として東京に原爆を落とす手はずになっている。そもそも、ローレライを引き渡すから東京に原爆を落としてくれるな、と言う話なら分かるけど、その逆って意味不明。

さらに、アメリカは東京に原爆を落とすはずがない。東京に原爆を落として天皇を殺してしまったら、日本に太平洋戦争終了と号令をかけてくれる人がいなくなってしまう。もう45年8月の時点でとっとと戦争を終わらせたいとアメリカは思っているのだから、そういうことはありえない。

また、ローレライ受取りを非常にアメリカは希望していて、潜水艦もろとも捕獲しようとしているが、大体が、45年8月時点では既にドイツは無条件降伏しているので、ドイツの兵器開発データは全てアメリカの手に渡っているはず。前々からアメリカを悩ませていたのなら、いの一番にそのデータを入手しようとやっきになるはず。それが見つからないと言う方がおかしい。

最後に、いくらローレライが優れもので、魚雷が全部見えるからって、太平洋艦隊がじゃんじゃん投げ込む魚雷の海を全てクリアできちゃうって、むりじゃんか?

なので、意味不明な映画である。

が、できるだけ拾ってあげるつもりになれば、この映画には多分描きたいテーマがあるようだ。それは、クーデター将校たちが代表する、人の命を何とも思わない人たちと、艦長が代表する、特攻を否定して人の命を大事にしようとする人たちの戦い。もちろん、前者の狂気を説明しようとしているくだりがある。

それが、ドストエフスキーの「罪と罰」で説明しようとしているものと思われる。艦長たちの会話の中で、主人公はなぜ金貸しばあさんを殺したのか?それは主人公の神性を殺したんだ、というやり取りがある。

人には意識があるなしに関係なく、とってもとっても大事にしているものがある。命だったり、生涯かけてやった仕事の成果だったり、祖国だったり。そうした想いは、当人の中では疑問視されることのない、神聖なものということもできる。誰も、愛国心や祖国愛の存在を疑問視しないように。

が、そういう神聖視していたものが、冒涜されたり、破壊されたり、大いなる幻滅を感じさせられたりすると、心のよりどころを失ってしまう。その結果、反動的に自虐的に破壊的になってしまったり、どこかおかしくなってしまう。それを突き詰めると、クーデターをやろうとした将校みたいに、海軍軍令部幹部を一室に閉じ込めて切腹を強要しようとしたり、ローレライ引渡しが失敗したと分かるや、一転自殺してしまうとか。全然ストーリーとしてはめちゃくちゃで、狂ってるとしか言いようがないが、人間はときどきそうした行為をしてしまうわけで、そうした人間の恐さを描きたかったのではなかろうか?





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Last updated  January 8, 2008 12:46:38 AM
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