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我思う、ゆえに我あり

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yukie_yo

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April 14, 2008
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カテゴリ:雑考あれこれ
今日はI巻を読んでいながらなかなか読む時間がなかった、イスラエル・ロビーのII巻の前半を読了。

まあ、前回と同様、イスラエルがなぜここまで強硬になるのかがやはりわからない。著者は、決してこの答えを出してはくれない。

もちろん、日本がひとつの声を持たないように、イスラエルにもいろんな意見はある。シリアと協調関係を築くべきと動いた首相たちもいたし、イスラエルを攻撃するようなテロ集団のヒズボラと関係を持っているシリアとつながるなんてもってのほか、というオルメルト現首相もいる。

そして、前回同様、イスラエル・ロビーはその場その場のイスラエルの対中東政策を支援するロビー活動を展開する、と書いてある。しかも、アメリカにイスラエルに圧力をかけるそぶりをしようものなら、即刻議員が反対ののろしを上げる。なので、イスラエルはアメリカに圧力をイスラエル・ロビーを通じてかけられるが、その逆はできない。そして、えんえんとイスラエルに軍事、経済援助をすることになる。

なので、神経質なまでに(というより敵が大きいので当然の処置だが)決してイスラエル・ロビーだけでアメリカがイラクに戦争を仕掛けたとは言っていない。が、ひとつの大きな要因であることは強調している。

面白いことに、最初はブッシュ政権は中東政策に積極的に関与する気はなかった。が、911がイスラエルロビーの追い風となって、関与するようになる。いわゆる、石油目当ての戦争ではないことが逆説的に証明されている。石油業界的には、イラクに戦争しないようにロビーしていた。イラクは国連制裁のおかげで経済的にも逼迫していたから誰にでも売る姿勢だったし。

イスラエルがとっている政策は、国家安全保障という名の下に、イスラエルとけんかする気のない周りの国になんだかんだと文句をつけてはアメリカに叩かせるという戦略をとっている。それは、周りの国にもわかるから、かといってアメリカ・イスラエル軍と正面きって戦うわけにも行かないから、テロ集団を支援する戦術を周囲がとる。ある意味、挑発と呼んでいい。すると、それをネタにアメリカ議会、国連を通じて高らかに制裁措置をとらせ、つぶす、と要約できる。

だが、それでイスラエルはより安全になるんですか?むしろ、シリアのときやりかけたように、中東戦争時に奪い取ったゴラン高原を返還する代わりにヒズボラなどのテロ支援をやめる、という約束を交わした方が、イスラエル国内のテロ確率は減るのではなかろうか?そして、それは、国内の安全に非常に貢献する。

以前イスラエルにいったことがある。真剣にテロは日常茶飯事だ。当時派遣されていた会社の本当に2ブロック先で自爆テロがあった。でも、あまりに日常の一部なので、場所はどこなん?あそこだよー、なんて会話になっちゃう。

しかも、タクシーの運転手に聞いたら、自爆テロをしたやつがおどおどして挙動不審だったので、(ラッシュアワーのバス停ターミナルであったテロなので)バスの運転手がそいつを乗車拒否した。そしたら、あわてて自爆しちゃった。でも、そいつを乗車拒否したおかげで、一人しか死者を出さずに運がよかったんだよ、なんて教えてくれた。ってそういう問題なの?

どういうテロって通常ないもんだよね!なんていう常識は一挙に崩れる瞬間。確かにホテルに帰って現地の新聞を広げてみれば、確かに、不審物があったので、市民が警察に通報して爆発前に撤去できたので、その通報した市民は表彰されてて、照れてる市民の顔が新聞に載ってたり。

当時は、命がけでここの国民はこの国に住んでるんだー、と半分畏敬、半分呆れて(だって他にすめばいいじゃん?)いたが、今ははっきり言おう。こういうのは、おかしいですから。

独立当初ならいざしらず、すでに戦意を失っている周りの国にわざと国民を短期的にでも命の危険にさらしてまでけんかを売り、買った国を他人の国の血と税金でつぶさせる。

これをよしとするロジックは、どうしても理解できない。どう考えても、悪循環。そりゃ、確かに誰がもっとも被害が少ないかといえばイスラエルである。アメリカ、周囲の国をすべて犠牲にしてお釣りがくるほどのプラスがあるか?と問えば、納得のいく答えが出てこない。

イラクがいい例だけど、サダム・フセインを殺してイスラエルはより安全になったんか?よけいイスラエルがイラク以上に恐れていたイランに発言権がでてきたり、アラブの結束が強くなりはしなかったか?

一国をつぶしたらつぶしたで、そこに力の真空が生まれる。それは当然つぶしたアメリカが埋めざるを得ない。そして、アメリカは一当事者に成り下がり、中東の地政学に取り込まれる。で、イラクで悪さをしているやつの支援国を叩くという名目が生まれ、またそこをつぶす方向にもって行きやすい。イランがいい例だ。

イスラエルに言わせれば、イラクよりもイランの方を叩いてくれるとありがたいが、もちろんイラクを叩くことは悪いことではない。イラクをやったら、次イランもよろしくね。が、イランをやれば、次はシリア、次は。。。と中東の国を親米国以外全部叩かないといけなくなっちゃう。

それをさせたい、というイスラエルのロジック。が、米軍が無敵だからって、軍事的に勝ったからといって、政治的に勝てるとは限らない。

中東では力だけが頼りというイスラエルの格言をそのままにごり押ししても、たとえそれに反対する声を、ユダヤ人が支配する欧米メディアが抹殺して一切報道しないにしても、現地の人間は思っている。あまりにひどい仕打ちではないか。何が人権尊重だ、きれいごとをいうな、と。

そうした行き場のない怒りはテロ(これは、イスラエル建国当初周囲全部敵で弱かった時代にイスラエル自身がとった戦術である)という形で爆発する。そうして、永遠に地域全体の不安定さは終わることを知らなくなる。

頭がよすぎる人たちの考えはわからない。





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Last updated  April 14, 2008 02:52:36 PM
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