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テーマ:気になったニュース(30422)
カテゴリ:時事
今日は久々にセミナーの話です。学校や議会などが始まり、ようやくワシントンでは夏休みモードが終わった感じです。
今日のお題は、ポスト福田の日本。もともと福田一年目を評価するはずだったんですが、突然の福田辞任のおかげで、ポスト福田の話になりました。 まあ、麻生太郎だろうね、というところはパネリストの意見は一致。(それ以外にいないじゃん?)11月に予想される総選挙にむけての自民党の顔を選出する意味があるし、公明党の動きは、とか、まあきっと日本で言われていることをいっているはず。 それでも、民主党党首・小沢一郎の動きは注目というところは目新しいかも。(それにしても、何でマイケル・グリーンはしきりに岡田元代表の話をしてたのかしら?日本にいたときにそれ系の話をきいたのかしら?) 自民党総裁選の候補の中じゃ、外交政策ではみんな似たり寄ったりだし、小沢くらいがISAF(アフガンへのNATO派兵)を強く支持しているから目立つ。ま、それに過去に給油問題でことを難しくした経験があるので、用心しているのは事実。 この点で、小沢を反米と決め付けるのは、ずいぶんずさんだと思うんだよなあ、緑さん。 そして話は当然自民、民主が両方とも二分割になってそれぞれくっつく、いわゆる大連立の可能性にも触れていた。 まったく可能性はないとはいわないが、多分自民党が過半数を押さえるのではないか?という楽観論、今この瞬間(ポスト福田)はどうなる、というよりも、これからもしばらく政治が流動化していることを認識すべき(なのであまり騒ぐに値しない)という意見で分かれていた。 ニュアンス的にはその程度しかないのではと思うが、確かにもう少し近視眼的に誰が次の首相になるのか、という視点よりも、これから日本の政治の流動化が続くが、これは日本がどういう方向に向かうのかを決めていくのに必要な過程なのだ、というより長期的な視点の方が、妥当な考えだと思う。 いわば、自民党が作り上げたいわゆる保守合同、55年体制が必要だった、50年代とは違う。あの頃は、まだ経済復興の真っ最中で、政治面で安定性が絶対的に必要だった。けれど、今は、あの頃のような安定性の社会的需要が下がってきている。 むしろ、高齢・少子化、生産大国から投資・技術大国への移行、アメリカ覇権の衰退(多極化世界)への対応が可能な政治システムに日本を変えていかないといけない。 もう真似できる先進国はすでになく、何がこれから発展していく産業なのかは誰にも分からない。なので、分散投資するほかない。これは、いろんな考えを容認する、多様性を包容できる社会への移行だ。 また、労働力がこれから下がっていき、老人が増えるということは、今と同じ生活水準を保つことを前提にすれば、高度成長期の外国に投資してそのハイリターンをもらって生活していく形にならざるを得ない。また、これからも日本国内の経済を成長させていくには、労働力の不足を海外から輸入していかないといけないし、外国企業を誘致して、直接投資をしてもらうように仕向けないといけない。 となれば、日本語という大きな壁とトレードオフするもの、税対策(いっそ所得税、法人税を半分くらいにしてしまえ)もしないといけないし、やけくそに大きな官僚機構を大幅縮小しないといけない。(これも、半分くらいにしてしまえ。その代わりいらない仕事もあわせてどんどん切り捨てよ)もう無駄なことにお金を使えない。 海外へ目を向ければ、東アジアは紛争の火種が大きいのだけで2箇所もあるし、軍拡がおきている唯一の地域でもある。そして、アメリカの覇権の権威が落ちてきている以上、これからアメリカにひっついてばかりいると、カネの無心が今後増えていくのは目に見えている。(そして、支出額の割には世界への影響力やいい印象を得ていない。) なので、地域大国(多極化の世界の中でなら1つの極となって、自分の運命は自分で決められるだけの幅を確保)として軍拡を食い止める方向で考え、防衛費を今後減らしていける環境を作らないといけない。 そして多極化していく世界では、アメリカだけではなく、世界のほかの地域大国との友好関係をもっともっと築いていかないといけない。ただ、無闇にODAを世界中にばらまいていても、何の意味もなさない。そして、この点は日本と調整しないといけない、日本に頼まないといけない、と他国に思わせるような分野をどんどん作っていかないといけない。今はエネルギーの節約とか、環境問題とかあるけれど、もっともっと必要。 もはやアメリカだけを見ていくだけでいいという思考は今後の世界だとリスクが大きすぎる。 そのためには、世界をもっとよく理解できないといけないし、自前の情報収集能力をつけないといけない。大使館ネットワークはあまり役に立つとは思えないが、商社のネットワークをもっともっと活用することも考えていくべきだろう。 そうした戦略的に考えていく、世界観をちゃんともった人材を養成していかないといけない。それには、海外でもまれて食べていける人間をもっともっと増やすことだ。英語ができないのなら、中国語でもいい。ロシア語でもいい。フランス語でもいい。アラビア語でもいい。 こうした変革の需要に対応できる政治システムが求められている。多分政界だけの問題ではない。政財官をすべて巻き込んだ政治システムの変革になる。それを作り出すだけの、リーダーシップを取れる人間、環境がでてくるまで、きっと1年程度の短命政権がぼこぼこできるのだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 11, 2008 03:13:49 PM
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