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テーマ:政治について(19758)
カテゴリ:時事
ようやくプロジェクトを一つおえ、ちゃんとブログも書ける余裕ができました。
さてさて、ろくすっぽ新聞さえ読む余裕がなかったので、今週は世の中にキャッチアップしないといけないのですが、とりあえず、今日は大統領候補のディベートの話。 前回の感想をいつか書きますといっておきながら、今日に至っている上に、今日三回目です。が、正直いって、2回目はみんながいうように、つまらない。私的には司会が悪いと思う。タウンホール形式で、普通の人々(どちらの政党に属していない)が候補に直接質問をぶつける形式だけど、事前に質問を候補たちが聞いているので、ほとんど、二人とも答えを暗記して、後はパフォーマンスでいってるだけ。オバマなどは、質問のメモさえ取らず、座るときから、自分の本のカバーのポーズして、格好つけてる。 しかも、二人で会話してないし。中身的には前回の焼き直し?というイメージが濃厚。経済がどんどん悪くなっていっているのに、マケインは経済は弱いというイメージを払拭しないといけないのに、一応何か政策を持ってきているのに、説明のしかたが悪くて、その後の世論調査でも、経済はマケインが弱いというイメージをそのまま引きずった形だ。 さらに、共和党のためのTV局と一般的に言われる、FOXニュースではミット・ロムニーがディベートの後でインタビューを受けていて、一応共和党の中で経済に強い人という認識されているロムニーなのに、マケインのいった政策、聞いてないよ、といっちゃったらしい。 いきなりでっちあげかよ?共和党ぞっこんの友人曰く、どうもそうではないそうだが。 そんなので、まあ、あまり書く価値もない感じだったけど、今日はまだまし。 マケイン、ディベートで今回が一番よかったと思う。 経済を今回前面にだして説明していたし、ジョンとかいう水道工のビジネスを広げたいと思っている男性の話を持ち出し、超具体的、視聴者に親近感を持たせるしかけを持ち込んだ。(暗におれだって、庶民の悩みは知ってるさ、とアピールしたいのもあるだろう)オバマの方が受身的になるくらいだった。むしろ、オバマの方がこの国でなぜか盛り上がるテーマである、中絶の是非を持ち出して、CNNのレポーターによると、浮動票のほとんどは中絶反対なのに、といっていたくらいである。けれど、オバマのリベラルな自説の説明は、明快なので、失点とはいえないが。(アメリカだと、キリスト教徒が多いため、胎児の瞬間から人間とみなすので、中絶反対である人が多い。これに対し、中絶OKというのは、リベラルとみなされる。キリスト教が浸透していない日本では、ありえない争点だが。それに、日本の法律上は、生れ落ちてから人間という扱いをするしね) だが、マケインには一つだけ、根本的に見えていないものがあるように思われる。それは、なぜヒラリーが負け、マケインがオバマを相手にしているか?が分かっていないと今日つくづく思った。 ちゃんと候補のマニフェストを読んだわけではないが、報道を聞く限り、経済に弱いマケイン、減税しか言わないマケインのイメージで、これだけ経済が大恐慌の再来といわれるほど不況に陥っていくなかで、イラクやアフガンの話ばっかりしてるわけにもいかんだろうというのが分かっていないから、マケインは負けるだろうと、踏んでいたが、どうも違う。 もちろん、マケインは確かに経済に強いというイメージを勝ち取ってはいないし、これだけ景気が悪くなるということは、ますますマケインに不利になるだろう。そして、ディベートがすべて終了した今日、オバマ優勢のこの状況を総合的に覆すところにまでいたっていない。 だが、マケインは経済悪化で負けるのか?というと、きっと違う。何か有事がおきれば、マケインが勝つか?というと、それも違う。ヒラリーが負けたように、マケインも負ける、と思う。半分直感が入ってるけど。 CNNが直後に視聴者に電話アンケートを取っている回答結果に、 -マケインとオバマのどちらに好感が持てたか?(オバマ) -マケインとオバマのどちらが相手を攻撃していたか?(マケイン) という項目がある。この結果を見ると、まあ私の印象と似てる。 マケインは、経済をよくする方法よりも、オバマ批判にかけている時間が多い。 なので、一生懸命経済政策について説明していても、マケインが経済について説明しているというイメージよりも、オバマを批判するためのツールとして経済を語っているようにしか聞こえない。測ったわけじゃないけど、経済について話すときに、マケインとオバマの違いをいいたいのは分かる。が、マケインのオバマ政策のまとめかたがあまりに強引というか、歪曲してオバマにいい顔をさせない、とやりすぎるために、かえって自分の説を説明する時間がますます削られる。そして、オバマはそれを受ければ、まさに自説を曲げられたわけだから、必ず反論をしてくる。しかも、ディベートだと反論の時間はイントロよりも短いので、簡潔にオバマ政策の骨子を繰り返すチャンスを与えるという、ダブルパンチの効果つき。 もうこれだけ政治不信があるなかで、もう政治上の泥仕合は聞きたくない!いい加減に何かしろっ!というのが一般感情だということだ。 もちろん、オバマがまったく泥仕合をしないというわけではない。圧倒的にマケインよりも資金を集めているオバマはこの時期大量に流せるTVコマーシャルでは、ばしばし泥仕合を繰り広げている。 が、オバマが巧妙なのは、本人がやらないこと。TVコマーシャルのナレーターに言いたいことをいわせて(これは声だけだ)、本人がでてこない。そして、自分はクリーンなイメージを保つ。これはビル・クリントンとオバマの一時の泥仕合を繰り広げたときのヒラリー陣営戦略を教訓にしたのかもしれないが。 そこへいくと、マケインはとりあえず敵に勝つことというマインドセットで入っているから、ディベートでオバマに勝つこと、という中目的に集中しちゃう。 が、オバマはより大きな目的、ブッシュ政権で痛めつけられていた中産階級を救いたいというメッセージを一貫して伝えることに集中してる。これが、オバマの魅力の最大な点だろう。もちろん、マケインの中傷、批判をまったく無視しているわけではないが、言おうと思えばいえるんだよ、くらいの反撃でいい。そんなことよりも、視聴者(有権者)のみなさんの悩みを解決しますというメッセージを伝えた方がなんぼ好感を持たせられるか、わかりゃしない。 経験があるんだとか、ないんだとかいう問題じゃない。そして、ヒラリーは、オバマとまさにこの点が最大の相違点だと主張。 もちろん、経験があるのとないのとでは、大いに違うことは確かだ。私も、政策を考える側からすれば、経験を重視する方が理解できる。 だが、今回の大統領選挙戦において、オバマはこのまったく違うマインドセットを持ち込んで、今回の大統領選でそれが一般国民(民主党側)の支持を受けた。 もちろん、共和党側ではそういかない可能性は?といわれれば、このCNNの調査などを見る限り、別に民主党だから、というわけではないと考えた方がすんなりするだろう。 多分、さらに私も何でそういう考えをするの?と理解に苦しむところはあるんだけど、アメリカ人が大統領に求める要素の一つに、「一緒にコーヒーを飲みたい相手」という印象を与えられるかが大事というのがある。 俺が、私が経験があるんだ、と我を張ってる人よりも、視聴者の皆さんの悩みを解決しますと言う方が、包容力が感じられる。 それを凝縮したのが、今日のディベートの最後の締めくくりの言葉。 マケインが最初に話したが、マケインの言い分は、一言で言えば、俺は経験があるんだ、だから俺に投票してくれ。オバマは、逆に視聴者の皆さんの問題を解決するためという大義名分を高々に掲げる。 後もう一つ、付け加えると、マケインは経済政策についてあまり受けのよくないことはいわない。イラクとかではいうけど。(そのため、去年、マケインはやばいといわれていた時期があった) むしろ、オバマの方がこんな経済にしたのは、ブッシュである部分が大きいけれど、クレジットカードでばんばん買いまくって請求書がきてとたんに青くなった国民も問題だ(現に、毎日アメリカはネットで20億ドル入ってこないとやってけない体質である)、痛みがあるのは覚悟せよ、とストレートに語る。 人を説得するときには、いいことばかり並べたてるやつは、信用されない。そうそういいことずくめの話はないからだ。逆に、メリット、デメリットの両方をいった上で、メリットの方が大きいと主張する方が実は説得力がある。正直に話している、より親身に聞き手のことを考えてくれているという印象を与えることが出来るからだ。この要素も、多少あるかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 16, 2008 02:50:06 PM
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