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我思う、ゆえに我あり

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yukie_yo

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October 31, 2008
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カテゴリ:映画
昨日みた映画は異色のドキュメンタリーである。

対象が北朝鮮に逃亡した、唯一北朝鮮に残っている元米兵である。ジェンキンス氏以外にも3名いたらしい。

主人公は60年代に北朝鮮との境界線、38度線を守っている米兵だったが、ある日、北朝鮮へ逃亡する。

何で?アメリカの米兵(将官ではない兵卒)は基本的にアメリカの田舎であまり裕福でない家庭からくるのが相場。しかも、子供時代に母親が家を出て、その後親戚に預けられて、あまりいい環境ではなく、一度結婚するも、軍隊で任地に行っている間に妻に逃げられた。

もうどうでもいいや、という心境だったらしい。

これには、北朝鮮側もびっくりだ。とりあえず取り押さえて逮捕。いろいろ情報収集に努めてみるが、そういう兵卒に米軍の配置だの聞いてみたところで北朝鮮が知っている範囲以上のことは知っているわけもない。また、ろくすっぽ教育も受けてないわけで、何か北朝鮮に教える技術もあるはずもない。

なので、北朝鮮は反米帝、アメリカの資本主義は北朝鮮の共産主義に劣るという証拠だとして、扱われた。そして、北朝鮮側には、女もいるとか、およそ共産主義らしからぬ看板を立て、さらに逃亡兵を誘った。その効果がどれだけあったか分からないが、何も知らないアメリカ人の若者ならひっかかるのかもしれない。

で、もう二人やってきた。アメリカ側も、まずいということで、とりあえず貧しい不幸な人生を歩んできたような人は38度線に送らず、もう少しランクの高い兵卒を置くようになった。が、それでもジェンキンス氏がやってきた。

どれも北朝鮮の経済発展に役に立たないと判断され、金正日が映画好きなことも手伝って、映画に出演することになる。とりあえず、アメリカ人の悪役だ。他にアメリカ人がいないのだから、ちょうどいい。

ジェンキンス氏はこのアメリカ人4人の中では一番年長であり、ランクも高かったので、残りの3人にえばり散らしたので、張り倒されるなど、反発を食らっていたらしい。

まあ、同じ逃亡兵なので、前の軍のランクもへったくれもない、ということだ。

映画出演で働いたということでか、今は年金生活者のような毎日だ。

そうして、北朝鮮側から勧められた北朝鮮女性と結婚し、死別。また、北朝鮮人外交官と任地のアフリカの現地人との間のハーフと結婚し、現在に至っている。

ま、北朝鮮全体の中で言えば、一番いい待遇を受けている部類に入る。子供はちゃんと教育を受け(とはいっても北朝鮮式だが)、子供は外交官になるのが夢らしい。

いわば、アメリカの田舎でそれまでのつまらない人生から、一転北朝鮮だとはいえ、その国のエリート社会の一員の扱いを受け、(とけこんでいるわけじゃないが)配給は優先的にくる。飢餓があっても、お米の配給が減るわけじゃない。

これが逃亡という行為の代償か?この主人公、人はいいけど、難しいことは考えない。ジェンキンス氏を張り倒したように、考える前に手が先に出ちゃう人のようだ。

今北朝鮮を出れば、逃亡兵として、ジェンキンス同様30年の刑務所行きは堅い。この主人公はジェンキンス氏のように日本女性と結婚しているわけじゃないから、日本政府からの恩赦要請があるわけもない。

くさい飯を一生食べるか、北朝鮮で何となくぬるま湯の人生を送るか?で、この主人公は、前者を選び、未だに北朝鮮で生きている。

もちろん、この主人公、ずっとのほほんと生きていたわけじゃない。周りが全員北朝鮮人の中で、目立つことこの上ないし、映画にも出てたし。だが、ジェンキンス氏と違って、あるとき、北朝鮮社会に溶け込む意思を持って、北朝鮮語を習い、その習慣を身に着ける。

また、この映画は北朝鮮内で取られたので、逃亡という行為の代償に失ったものについては、あまりいうことはできないだろう。24時間監視が長いことついていただろうし、不安の中で生きたことだろう。

何となく、釈然としない映画なのでした。





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Last updated  October 31, 2008 02:15:35 PM
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