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我思う、ゆえに我あり

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yukie_yo

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November 5, 2008
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カテゴリ:時事
今日こそは米大統領選の日。どこかそとで結果を見ようと思っていたのですが、雨だし、面倒になってルームメイトと一緒に家で見てました。

前々からいわれていたとおり、オバマの勝利です。しかも、大勝利。270人の選挙人で大統領になれるというのですが、330以上と大幅に上回っています。300以上なので、いわゆるマンデートといわれます。これならかなり強く国民の信任を受けた大統領といわれることになります。

そして、大統領選と同様に、上院議員選挙でも民主党が過半数を制しました。現在全部結果が出たわけではないですが、60以上の安定多数に手が届くかが焦点になってます。

これなら、日本で言うねじれ現象が解消し、次の下院の中間選挙までは安定政権になります。

ま、ここまでは何となく言われていたこと。(辛勝か大勝利かは世論調査の誤差の範囲内といわれてましたが)

で、今日の本命はオバマの勝利宣言。演説のうまいオバマなので、何ていうんだろう?とちょっと期待していました。

やっぱりオバマの演説はうまい。

マケインの敗北宣言よりも格段にいい。通常、大統領選をすると、一人の英雄(まけた側)と一人の大統領が生まれるといいますが、素直に負けを認めて大統領にエールを送るから。確かに、マケインもオバマにエールを送って悪くはなかった。が、その中にポロリと、「どこでどう間違えたかは分からない。」

その答えはオバマの演説の中にあったように思いました。また、その答えは、ヒラリーとの戦いの中で鍛えられたおかげで得たものともいえる。

多分大統領選の最中にこの質問をしたら、二人の戦略の違いがはっきり浮き出たろう。

ずばり、「あなたのターゲットは誰?」

マケインならオバマ、オバマなら国民全員、と答えたろう。

それほど、マケインのターゲットは狭かったし、オバマは国民全員に語りかけていた。

もともとオバマがそういう戦略をとっていたのかはよく知らないが、少なくても、目下の敵ヒラリーと戦うにあたり、ヒラリーは知名度、資金力、実績ともにオバマが勝てる相手ではないし、闘争心むき出しのヒラリーのことだから、私が、私が、という調子になることは目に見えていた。

で、上院議員1期目のオバマに何が出来よう?それは、ヒラリーが「オバマに比べて私が・・・」といって有権者の悩みについて話さないことを逆手にとって、有権者の悩みに特化して話す。それは、実績があるということよりも、こういう世の中に変えていきたい、という夢である。自分の実績を語るとき、聞いている人は話しての実績を共有することは出来ない。けれど、夢を語ったら、聞き手もその夢を共有することは出来る。

これに、オバマは賭けた。そうすることで、ヒラリーの実績を封じ込めた。これは、コンサル用語でいうなら、自分の土俵で戦う(又は他人の土俵で戦わない)という。相手は、自分の切り札を封じ込められれば、封じ込められまいとさらに切り札を振り回す。そして、どんどん深みにはまっていく。そうしてオバマは、敵を無視して自滅させた。

だが、そうはいっても、ヒラリーは民主党のかなりの部分の支持層を持っていた。6月までの泥仕合を演じた末、民主党を一つに纏め上げ、かつ本選に勝つという試練がオバマの前に立ちはだかる。

そこでも、またオバマの戦略は花開く。

少なくても、党大会の時から、オバマのターゲットは民主党員から、国民全員に広がっていた。何万という民主党の聴衆を前に民主党員のための演説をすることはもちろんできたろう。が、オバマはそうしなかった。

目の前の民主党員のみならず、大会にいない、中継TVを見ている人全員に語りかけるつもりで演説していた。民主も共和もない、アメリカの将来像や、リベラルや保守が分かり合える共通点を探る演説をしていた。

もちろん、この戦略がオバマのキャラそのものとあっていたのだろうけれど、前回の大統領選で民主党は負けているわけで目の前の民主党員の票全部を集めれば勝てるという状況になかったことも、影響してるだろう。

それと正反対だったのが、共和党大会だ。マケイン側はとりあえず前回のブッシュが勝った州落とさなければ勝てた。だから、別に目の前の共和党員の聴衆に焦点を当てても戦略的には間違いではなかった。

そして、軍人よろしくターゲットは敵、オバマとフォーカスして徹底的に個人攻撃、ネガティブキャンペーンを展開。そして、そんな話にうんざりした国民はどんどんマケインから離れていく。さらに、金融危機により、国民の不安が高まる中、自分の悩みを真剣に考えてくれていそうな話を聞きたい国民に向かって、やれオバマがイスラムだ、やれオバマはテロリストとつながっているだ、いわれても、だからどうした?この経済危機をどう乗り切るのか、教えてくれ、という話になるわけで、そうした国民の問いかけに応え切れなかったマケインは、自ら勝利の道を閉ざしていった。

要は、きっとマケインに染み付いているであろう、その戦闘時のマインドセットそのものがマケインの敗因である。

これに反し、夢を語ることで共感を得る、オバマの語りは勝利宣言でも見事。

106歳の老女を持ち出して、生まれたときは皮膚の色、性別のせいで投票できなかった。それが、性差別、人種による投票権上の差別もなくなった。パールハーバーで戦い始め、民主主義の名の下に勝った。人は月にいけるようになった。ベルリンの壁が崩壊した。すべてYes, We canである。

そして、自分の娘がその老女と同じくらい寿命があったら、どんな世の中の変化を見ることだろう?その変化を作ることができるのが、アメリカであり、今自分たちの時代なのだ。

ものすごく夢想家のように聞こえるようだが、決してそうではない。むしろ、現実的。

未だに金融危機に直面している。イラク、アフガンの問題もある。自分の1期目では治せないかもしれない。それほど将来の課題は大きいし、大統領はすべての問題を解決できるわけでもない。

だが、少なくても国民の話は聞く。問題があれば、素直に報告する。それだけは約束する。なので、国民の助けが必要なのだ、助けてほしい。

この選挙の勝利はみんなの勝利、みんなのチェンジを求める声である。

オバマは、ヒラリー票を取り込み、そして今マケイン票を取り込もうとしている。

大統領選で今まで歩んできたオバマの道は、もちろん、オバマが好きで選んだ道ではない。その道はいばらの道だ。だが、ヒラリーという強敵の存在、その票を取り込むという党統一、国民の統一、という二つの試練に、転んでもただではおきない、オバマの強さ、したたかさが、強く感じられたのでした。





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Last updated  November 5, 2008 05:32:16 PM
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