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我思う、ゆえに我あり

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yukie_yo

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March 1, 2009
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カテゴリ:雑考あれこれ
この間、ワシントンでお世話になった、竹中正治さんというエコノミストの本、「ラーメン屋VS.マクドナルド」を読んだ。副題は、エコノミストが読み解く日米の深層。

新書なので、どちらかといえば、気楽に読めるエッセーという感じでしょうか。ちょっと飲み屋で薀蓄を語りたい人には、もってこいかもしれません。

多少小難しいことが書いてあるかもしれませんが、題名からしてそれほど肩肘ばらずに、という配慮が透けて見える。実際、あっちこっちに話が飛んでいきます。

ここでは、最近の報道にあわせて、2章の「希望を語る大統領VS危機を語る総理大臣」から。麻生首相から危機感をあまり感じ取れませんが、(本人の首相の座にあること自体が危機ですが)オバマが希望を語るというのは、ものすごくあってます。

まあ、移民国家・アメリカに集まろうという集団は、インディアンと、奴隷と流刑囚の末裔を除けば、自らの意思で外から移住してきた。本国で何かしら問題あり男、あり子さんたちから始まり、本国にいてもロクなことはない、希望が見出せない(本国にいて成功する確率<アメリカで成功する確率と計算した)人々がほとんどだ。(一部、本当にアメリカを支配するために移住してきた、いわゆるブルー・ブラッドたちは除くにしても)

だから、希望がある、という言葉に反応しやすいのかもね。

もちろん、危機を語りだすこともある。しかも、著者は、他罰的になるという。うーん、どちらかというと、危機に果敢に立ち向かい、成功できる自分に酔いたい、のではなかろうか。この場合、危機が大きければ大きいほど、成功後酔える規模は大きい。そういう雰囲気になると、結構アメリカ人男性は見栄っ張り。そこで弱音を吐けない。いくぜ!といわれたら、おお!といわねばならないように育てられてる。(非常に単純)が、内心は非常に不安な奴が多いと思う。(こういう弱音は、こっそりいいます。)

なので、オバマが、これから大変だけど、みんなで力をあわせてやろうぜ!というと、おお!という答えが返ってくる。そこでできるかどうかの判断は二の次、三の次。(だから、最初の威勢がいい割には、結果が伴わない)

そうして、リーダーは、勝つための秘策を授ける。敵に勝つためには、我々は変わらなければならない。なーんていう台詞に超弱い。で、意外にあっさりと新しいやり方を採用したりする。もちろん、リーダーとそのブレーンたちは自らの弱点と敵の強みを徹底的に分析した上でだが。

すごい例が、海兵隊。これは、第二次世界大戦中、日本と戦っている最中にあまりに戦場が島ばかりなので、陸と海との間をつなぐ、海兵隊が誕生した。これも、自らの弱点と敵の強みを研究に研究した結果。日本で、負けが込んでいた太平洋戦争で、まさに戦っている最中の軍の組織変更なんか考えられただろうか?負ければ負けるほど、精神論をかざしてばかり。完全なる、思考停止です。

なので、自罰的ではないかもしれないけれど、著者がいうほど、自分の言動を反省しないということはないかと。

かたや、日本はその逆で、希望を語るよりも危機を語る方が多い。確かに、悪いニュースを先に聞くべきくらいの気持ちでいた方が、いいのは事実だ。

が、マゾヒスト的にいく傾向があるように思う。例えば、最近すごく気になるのが、経済危機の枕詞、「100年に一度といわれる経済危機」。引き金となった当のアメリカでもそんなことを言わないし、中国でも言わないそうだ。両国とも、日本よりももっと悲惨な状態にあるだろうに。

じゃ、だからといって、日本は危機を語るのがすきなくせに、危機管理がうまいか?といわれると、まずいですねえ。

海兵隊の逆を行くのが、インパール作戦。すでに防御に回っていた日本陸軍なのに、積極的にインパールを取りに行こう!と下っ端が言い出したら、上は全員まずいってば、と思いつつ、下の気持ちを汲み取って、もっと上が反対するやろ?くらいの気持ちでいたので、特に反対しないでいったら、とうとう誰も反対せず、やることになっちゃった。で、なるべくして、こてんぱんにやられ、言いだしっぺは結果を報告した際にやめろと上官が言ってくれるのを期待し、上官は言いだしっぺが撤収すべきという言葉を待っていたので、どちらも何も言わず、撤収の時期を完全に逸し、大量の無駄な死傷者を出すだけ出して、大失敗の作戦。

この文化に、CHANGEという言葉はないし、危機管理という言葉もない。

著者は、こんな思考回路を無謬信仰が原因とし、さらにリーダーシップの欠如が助長すると考える。

無謬も含め、思考停止が最大の問題だと思う。

確かに、上をたてるという文化があります。が、悪く作用する傾向がある。

上でも下でも、本当は人間完璧じゃないんだから、下から吹っかけた議論にちゃんと答えられないと思い込む必要はないのであり、互いに切磋琢磨していけばいいのに。「いい質問だね。逆に君はどう思う?」くらいの逆質問をしてみてもいいのに。

が、そういう展開になることはまずなく、何でも下の質問に答えれなきゃいけない、なんて考えがなまじあるから、答えにつまるような質問をする奴を嫌う。嫌うから、下は嫌われないように、当たり障りないこと、耳に心地よいことばかりいうようになる。

そうすると、意見具申はまずなくなり、はだかの王様になる道をまっしぐら。そうして、下は別に心からついていこうという気はないから、上が何をいおうと、適当に流される。そうして、リーダーシップは取れない状態に。

そういう意味で、日本も変に見栄っ張り。

見栄の張り方が違うって面白いね。





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Last updated  March 2, 2009 02:00:11 AM
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