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我思う、ゆえに我あり

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yukie_yo

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March 8, 2009
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カテゴリ:時事
とうとう来ました、米失業率が8.1%に。

ひそかに、アメリカの失業率は世界的に重要だと思ってます。別にアメリカ経済がうまくいかないと日本経済も弱くなるとか、そういうことじゃなくて。

この数字次第でアメリカは対外戦争を始めかねないから。

どういうことかというと、ホワイトハウスの住人的(民主、共和に限らずという意味で使っています)には、失業率は一番気がかりな数値。いろいろアメリカは儲けるために戦争をするとかいいますが、結局のところ、大統領はどこ出身かでどういう利権が絡んだ人かは一定ではないけれど、常に自分のところにうまい話が持ち込まれるようにしておくことが重要。頼んでもいないのに、降ってわいたようにうまい話がくるポジションに一度つけば、ずっと続いて欲しいと思うのが人の常。であれば、うまい話の一つや二つ失っても、このポジション死守のために動くはず。

去年の選挙でも明らかなように、経済が悪ければ、その他の政策がどんなによくても次の選挙で引き摺り下ろされる。

その経済が国民全般にいきわたり、かつ国民の身近に感じられるものといえば、筆頭に上がるのが失業率だと思うのです。

GDPもありだけど、一部の産業が特出すれば、GDP成長もあり、な話。GDPが上がった下がったって、あまり国民生活的には実感がわかない。けど、失業はすぐに分かる。勤務先でレイオフの話がでたとか、あいつが首になったとか。

他にも、物価価格もないこともないけど、一概にインフレがいかん、というわけじゃないし。

なので、失業率が一番分かりやすいかな、と思うのです。

で、この失業率が高すぎると、次の選挙に勝てない、というメッセージがホワイトハウスを直撃。何とか下げる方法はないものか?と検討に入る。そんなときに、即効性のある、一時的なカンフル剤で連邦政府ができること、といえば、今回のような経済投資に走るか、地方ばら撒きにいくか、戦争など防衛費を大幅増大に行くか。

で、実際戦後失業率と防衛支出額(或いは増加率)を比較してみる。(グラフが載せられないので、出典のサイトをあげておきます。興味のある方は、エクセルに該当箇所をコピペして、グラフを作ってみてください)

失業率:http://www.bls.gov/bls/employment.htm
防衛支出額、歳出総額:http://www.gpoaccess.gov/usbudget/fy09/sheets/hist03z1.xls

例えば、失業率8%を越えた75年。この年には防衛支出が8.5%の増加ですが、それ以上に全体の支出も9%。ベトナム戦争直後なので、戦争の線はなく、経済刺激策に走った模様。実際、この年に倍増したのは、商業・不動産クレジット。

次に、82年に失業率9.7%になった。この年はレーガンがカーターを破り、レーガンは早速政府支出増大の言い訳を作りました。即ち、「悪の帝国」とソ連を非難し、俗に言うスターウォーズ計画など防衛費をがんがんに引き上げた。82年から87年まで防衛支出の増加率は歳出増加率を上回る成長を見せる。

この時期、面白いのは、83年に失業率は9.6%なんですが、防衛支出は13%伸びた甲斐あってか、翌年の84年には失業率7.5%に落ちる。これに安堵したか、防衛支出の伸びは8.3%に留まる。しかし、85年の失業率は7.2%に留まったので、再び防衛支出は11%また増やす。で、87年にはさすがに失業率は6.2%に収まり、防衛支出もわずか3%程度にまで落ちる。

こうしてみてくると、失業率が7%を越えると、政府は何かしら対策を考え始め、7-8%台なら防衛支出は一桁の増加率をみせ、9%ならその増加率は二桁になるようだ。

その次に7%を越えるのは、92年。この年も91年の防衛支出マイナス8.7%から一挙9.1%増加している。そのおかげか、失業率は下降線をたどる。

と考えていくと、防衛支出の増加率を二桁にするには、大概戦争か、レーガンの時のようないいわけを考え付くか、どちらかしかない。

が、ちょっと悩ましいのが、03年のイラク戦争。このときはまだ6%。危険水域ではないが、よほどブッシュJr.は再選したかったのだろう。911も手伝ってだが、02年から04年まで防衛支出は二桁の増加率を見せる。

そのかいあってか、01年4%からじわじわと上げて来た失業率は、03年6%をピークに06年には4.6%にまで下がる。

というより、前のブッシュ政権で、まだ危険水域ではない頃から防衛支出を増大させたので、4-6%を推移していただけではなかろうか。いわば、粉飾決算。

(だから、本当はリーマンブラザーズ破綻とか、サブプライムとかいうけれど、その前にもっと悪くなっているはずのものが、ごまかされていただけ、というべきか。でないと、サブプライムや金融危機だけで、一気にここまで米経済全体が悪化するのはおかしい、と思う。)

なので、本当は戦争以外の手を打つべきところを、イラクとアフガンで手一杯になりすぎて、みるみるうちに、08年には5.8%に逆戻り。

そこで、オバマ政権がやっていることは、最初に紹介した75年、防衛支出以外のところで政府支出を増額させることと同じ。

歴史は繰り返す、ですね。





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Last updated  March 9, 2009 02:16:37 AM
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