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我思う、ゆえに我あり

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yukie_yo

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March 22, 2010
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もう外は河津桜のようなピンク色の桜が咲き始める頃になりました。早いもんだ。薄長袖の時は本当に一瞬で、あっという間に、半そで、ノースリーブの季節になりました。

なので、うちの屋上で読書するのにいい季節になりました。暑すぎもせず、そよ風が気持ちいい。もっとも、同じようなことを考えるのは、私だけでなく、何人かいるんですが。

で、今日読んだ本は、前田充浩著「「金融植民地」を奪取せよ」。著者とは、お友達なので、実質ご本を頂きました。

チラシを見せてもらったときは、またまたー、と思っていたのですが、(ご本人も、笑わせるのが目的のようなことをおっしゃっていたので、また萌えちゃうのかしら?と思いきや、)なかなかの力作です。

著者は、経済産業省出身でODA課長を経験された方で、実地もアカデミアも、二股かけている、日本では貴重(或いは不思議)な御仁。なので、世界の常識を分かった上でかかれてます。

その熱い思いも、分かるような気がします。

とりあえず、切羽詰った思いで、自らが問いかけた問いの答えが煮詰まらないうちに書いている本なので、今後の著作にも期待したいところであります。

何が切羽詰っているって、日本外交ってどんだけひどいんよ?という痛烈な指摘です。当ブログでも何度でも書いてますが。私はODA専門ではないですが、著者は、ODAの観点から書いてます。

共通認識としては、大国の世界争奪戦であり、水面下でどんだけ汚いことをみんなしているか。日本だけ、ボケっとすんな。頭を使え、手を使え、足を使え。でも、手足、頭がバラバラに動くな。

これが、テーマです。

でも、欲をいえば、最初の方は、ODAに閉じていない国際関係を書いているのだから、開発ファイナンスの好条件で大国の勢力圏を決めようとしている、という話は一部であって、全部ではないから、軍事力、隠密作戦、多国籍企業ネットワーク、人脈、販売・調達ルート、何でもあり、の総力戦である、と書いてあれば、なおいいのに。

日本だけは、憲法や武器輸出三原則に縛られて、総力戦はできなくて、日本外交に残された唯一のカードがODA。それに、開発業界、商社がぶら下がってた。

今までスマートに使ってきたけど、今のままじゃいけないよ。と著者はいいます。

じゃ、他の国はどうしてるの?というところがあっても、いいかな。アメリカ企業に楯突こうなどという途上国の英雄はぶっ潰せ、不満分子に金と武器を与えてクーデターさせてしまえ。そうして、きれいに言えば親米政権、悪く言えばアメリカの傀儡政権を作れば、開発ファイナンスなんて、七面倒なこを言わずとも、著者のいう「投資パラダイス」は出来上がります。イラン然り、インドネシア然り、東チモール(これはインドネシアから独立させた例)然り。他にも、探せばいくらでも出てくるだろう。

そもそも植民地を「独立」させたのは、自国企業が母国の政府機能なしに自国軍がすぐ出動できれば担保される、搾取体制を整えたから。昔は、みんな正直にいった。新植民地主義だって。いつから消えたのかしら、この言葉。それに、冷戦時代、東西陣営とか、はっきり言ってたじゃん。誰の縄張りか、って。

開発ファイナンスの好条件だけでは釣れない国はたくさんある。日本みたいに一点賭けはありえない。どっかの大国の影響力が大きくならないように、別の大国を持ってくるときもある。大国は大国で、好条件のさらにおまけで、フランスなんかはミラージュ戦闘機なんかつけてみたりする。

けど、話は途上国に資源があるときとないときと、条件分けした方がいいのかもしれない。大国がみんなどうでもいいと思っているところは、本当に放っておかれるし。

後は、ODAの絡みでいけば、70年代、アメリカは日本が軍備を拡大できないという状況から、応分の負担をしろ、といって来て、アメリカが戦略的に大事と思うようなメキシコなどの国にODAを増やせ、と言ってきたことがある。多分、そういうときのメキシコなんかは、日本に感謝するというよりは、アメリカに目が行くんじゃないかな。

それと、著者に意見をきいてみたいな、と思った点。正直、日本がアジアを自分の縄張り、裏庭だと思っていたように、ヨーロッパはアフリカ、アメリカは中南米(アジアも欲張っているときと欲張らないときとあるが)がそうだと思ってた。けど、一番乗りで自分の縄張りが栄えたのは、日本。(やや遅れて南米もがんばってきてはいるが。)

で、アジアをちゃんと地固めできたかと思いきや、意外にできていないので、ここの策はどうするよ?というところ(これは、今考え中と書いてあるので、今後期待)と、アジアがそろそろ卒業したら、今度はどうする?欧米の縄張りと思っているところに手を突っ込んでいくのか?

日本はいい加減高齢社会。世界に投資したところから、利子を今後もらって生活していく、年金受給大国第一号になる。で、投資先は、細く広く世界に?それともどこかの地域に集中投下?個人的には、日本が貧しくて国民全員食べさせてあげられなかった時代に、日本人を移民として受け入れてくれた南米に、義理はあると思うけど。

最後になるほど、と思ったところ。目端の利いた途上国なら、開発ファイナンスで釣り上げようとしている大国を手玉にとって援助・投資をあちこちから取り付けつつ、成長をしているもんだ。未だにどうしようもないのは、やる気のない、怠け者の途上国。

こうした目端の利く途上国にならないように、そもそもナショナリズムの高揚を宗主国が残した、分割統治の楔をはずす方法は、早々簡単にはないと思うのだが、「やる気がない」というのは、気に入りました。





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Last updated  March 22, 2010 01:50:07 PM
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