|
テーマ:最近観た映画。(39270)
カテゴリ:映画
先日、映画「The Cove」を見てきました。
この映画、今年のアカデミー賞のドキュメンタリー部門で最優秀賞をとった作品。内容は、日本のいるか漁業の話。 日本だとあまり公開されていないのだろうけれど、ユーチューブなどでも見れるのではないでしょうか。 正直、この映画、偏見の塊みたいな映画です。 内容は、1)いるかを狩るシーンを撮るために、わざわざ、アクション映画のつもりですか?と突っ込みたくなるくらい、岩に似せた発泡スチロールを作って、中は空洞にして、ビデオカメラが入るようにして、夜中に漁場に忍び込んでカメラを設置する、自分たちのプロジェクトのドキュメンタリー。(地元の漁民?たちが常にこの異人たちを露骨に尾行するなどして監視したり、冷たい視線を浴びせたり、帰れといわれているのを全く無視しつつ、こっそりやってる。) 2)自分たちがなぜいるかに情熱をかけるのか、を自分たちにインタビューするシーン。過去にいかにいるかを自由にしてあげたかを、自慢げに語る。 3)日本側の言い分。国際捕鯨協会での日本政府側の対応、言い分から御用学者のインタビュー、など。 4)殺されたいるかの肉はその後どうなるか?を追いかけた部分。この映画では、鯨と称して売られている、とのこと。 といったところでしょうか。これを前後に錯綜的に編集したのが、この映画。 自分たちの個人的ないるかに対する情熱を語る分にはかまわない。けれど、それと、フェンスを勝手に切って、いるかのショーなどに飼われているいるかを自由にしたりするのと、では全然話しが違う。立派な犯罪。 なのに、個人的ないるかの情熱の名の下に犯罪を正当化させてしまう、この神経。全然理解できない。しかも、ミッション・インポシブル気取りで。何考えとんねん。 それだけのエネルギーと情熱とお金をかけるのなら、太地の近海の海底にでも、いるかに近づかないように音波でも流す工夫でもしたら?そんなにいるかが音に敏感なら。 そりゃ、すべての法律が正しいとは思わないが、だからといって、他人の持ち物を盗んでいい法はない。 で、彼らのロジックを裏を返せば、かわいいから殺しちゃいけない。だったら、かわいくなかったら、殺していいわけ? 彼らのロジックとしては、いるかは音に敏感な動物なので、ショーなどに出して色んな音に会うと、ストレスがたまるそうで、数年で死んでしまうという。 だったら、縁日の屋台で金魚を買って来ても、飼い方が悪けりゃ、数ヶ月で死んでしまうわけで、そういうのは、放してあげなきゃ、といわなくていいわけ? そんな出演者の一人は、子供の頃、Flippersといういるかのテレビドラマがあったようで、それでいるか好きになったそうだ。 けどさ、言わせてもらえば、そのいるか、どこからどのような経由でテレビドラマの製作者の所に来たと思っているわけ?いるかのショーと同じように日本などの港からつれてこられたんだよ? 感情だけが先行していて、いるかを捕まえたり、殺したりする奴は、極悪非道人のように一方的に決め付けるのも、どうよ? 片方は、仕事で漁業をしている人たちだ。趣味でやっているわけじゃない。それなのに、殺しのシーンを見せて、ひどい、と主張するのは、どうなの?牛だって、鶏だって、豚だって、同じような運命をたどってます。 陸の動物ならよくて海の動物はいけないというわけ?と突っ込みたくなる。こんな偏見に付き合わされる外務省のお役人は大変だ、と同情してしまう。例えば、国際捕鯨協会に日本がODAで釣って、何の関係もなさそうな小さな国に日本支持を訴えるシーンを映し出す。ええ、アメリカの方がもっとやっていませんでしたっけ? なので、そういう部分は鼻持ちならない。 その一方でいい点を突いているのも、事実。 それは、いるかの肉を鯨の肉と偽装表示して売っているということ。そして、食用のお魚の基準値をはるかに超える、水銀が検出されているのに、政府が見てみぬふりをしているということ。 この二点は、ほとんどの日本人は知らないし、犯罪じゃん。中国製毒入り餃子を取り締まるなら、これも取り締まらないと。 そして、もっと怖いのは、なぜいるかにそんなに水銀が検出されるか。食物連鎖の上の方にあるから、小さい魚たちの水銀を蓄積していくため、という。いるかサイズでそうなら、黒マグロとかも同じだよねえ。ということは、黒マグロの水銀も、人間の許容量を超えているということだよねえ。政府は何にも規制をかけてないよ。逆に許容値を上げてたよ。これも、いいのか? つまりは、水俣病は贅沢病になったということ? けど、この辺りは突っ込み不足なのだけれど、生きているいるかの方がショーなどに売るから、高く売れるらしい。じゃ、何で殺すわけ?いるかとしてお肉を食べているわけじゃないし。偽装しているくじら自体ももうあまり食べてないし。 自分たちの食用?想像するしかないけど、ショーの需要が一定の数でしかないから、余りが生じる。これを殺して肉を食べる、ということかな? それにしても、どれだけの肉が出回っているのかしら? ちなみに、この映画の影響は賛成派と反対派に分かれて、議論を巻き起こしているが、アカデミー賞をもらうなどの一定の評価を受けているので、それはそれで考えないといけないところでもある。 そもそも、国際捕鯨委員会の加盟国なのに、捕鯨をしているから、批判されているわけで、脱退したら?で、堂々と捕鯨できる身分になったら?そんなところに無駄な力を入れて、なまじ反対派に日本批判キャンペーンを世界に展開されるより、はるかにまし。 じゃなかったら、鯨やいるかを獲るのをやめてもらって、政府補償か。 外国に圧力をかけられて食べられなくなるのは嫌、という気持ちも分からないでもないけど、そもそもいるかを食べてると思って食べてないし。鯨もあまり食べてないし。プラスマイナスを考えたら、マイナスの方がはるかに大きい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 19, 2010 03:27:37 PM
コメント(0) | コメントを書く
[映画] カテゴリの最新記事
|