カテゴリ:小説
森村誠一『棟居刑事の悪の器』(角川文庫)を読んだ。
題名にある「悪の器」とは、東京のことである。結末で犯人が「東京は人間を悪くする巨大な器です」と語っているところに、端的に現れている。 この物語では、佐賀県出身の2人の女性が東京で相次いで殺害され、また現場近くで発生したひき逃げ事件も含めて、それらの関係が追及されていくことになる。 もちろん、捜査当初の段階では、3つの事件は無関係かもしれないのだが、粘り強い捜査の末、事件の関連性が明確にされ、ついに犯人が挙げられるのである。 東京という希望と絶望が入り乱れる大都会を舞台とした、殺人事件とささやかな幸せが描かれた作品であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年06月06日 13時10分52秒
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