496148 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ゆきよきの言語学・夏目漱石・日本史

ゆきよきの言語学・夏目漱石・日本史

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2013年12月02日
XML
カテゴリ:学び方・振り返り
(2)小論「文法家列伝:古代ローマ・中世編」の執筆における学び

 前回は、本稿の目的を確認した後、先月の振り返りで立てた2013年11月の目標を概観し、さらに自分の人生の目標を再認識したところまでであった。

 さて今回は、11月の1つ目の目標である、小論「文法家列伝:古代ローマ・中世編」の執筆における学びについて振り返っていきたい。

 前稿の「言語過程説から言語学史を問う」では、今回のテーマである古代ローマ・中世の言語学については深く触れていなかった。それは、古代ギリシャのディオニュシオス・トラクスの文法がラテン語に移植されだけで、論理水準としては彼を超えるものがほとんど見受けられない時代だからであった。逆に言えば、言語学の歴史において、ディオニュシオス・トラクス並びにその著書『テクネー・グランマティケー』は大きな位置を占めるということである。

 そんな中でも、間投詞を品詞として独立して把握したこと、以後のラテン語文法の基礎を築いたこと、主体的表現を直観的に把握したこと、及び認識や対象とのつながりにおいて言語の普遍性を把握しようとしたことなどは、部分的で不完全なかたちではあるものの、言語学の歴史上、大きな意味を持つものと言わなければならない。

 また、古代ギリシャにおいて中心的に研究されてきた形態論、個々の語の形を研究する分野に加えて、文の中の語同士の関係を問う統語論が盛んに研究されるようになったことも見逃せない発展である。物事を静止した状態で捉えるのではなくて、各々の連関の中で捉える研究が台頭してきたことは、学問史上でも大きな発展と言えるだろう。

 こうした把握は、前稿では捉えきれていなかった言語学史の側面であって、今回の小論執筆の成果と言えるが、課題も残った。それは、当時の社会状況との関わりや、学問一般における言語学の位置づけ、つまり、どういった学問上の発展が一般的にみられたためにこうした言語学上の成果が表れたのかを具体的に論究することができなかった点である。これは言語学史の発展の必然性の解明が十分でなかったと言い換えることもできるかもしれない。言語学は言語学のみで発展していくことは決してできない。社会状況や学問中の学問たる哲学等の影響を強く受け、それらに規定される形で発展していくのである。こうした社会や精神一般との媒介関係の解明が今後の課題として明らかになった。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2013年12月02日 15時12分39秒
コメント(0) | コメントを書く
[学び方・振り返り] カテゴリの最新記事


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カテゴリ

カテゴリ未分類

(0)

言語学

(310)

夏目漱石

(17)

日本史

(15)

学一般

(311)

小説

(63)

計画

(6)

学び方・振り返り

(321)

人間観察

(30)

雑記

(144)

カレンダー

バックナンバー

2024年06月
2024年05月
2024年04月
2024年03月
2024年02月
2024年01月
2023年12月
2023年11月
2023年10月
2023年09月

お気に入りブログ

よきぞうのひとり言… よきぞうさん

日記/記事の投稿

コメント新着

自由びと@ Re:言語規範とは何か(5/5)(03/19) 久々の投稿です。 「言語規範とは何か」…
http://buycialisky.com/@ Re:歯が抜けた(04/06) which one is the best viagra or cialisf…
http://buycialisky.com/@ Re:2014年8月を振り返る――学問化可能な認識の創出に向けて(5/5)(09/03) prijzen van cialissubaction showcomment…
http://viagravonline.com/@ Re:歯が抜けた(04/06) que hace el viagra en el organismo &lt…
http://viagraessale.com/@ Re:2014年8月を振り返る――学問化可能な認識の創出に向けて(5/5)(09/03) viagra and related products <a href…
山折哲(ペンネーム)@ Re:2017年7月を振り返る―像の文字化と文字の像化を通じた論理能力向上に向けて(5/5)(08/02) 南郷派の手技療法士の発言で気がついたの…
山折哲(ペンネーム)@ Re:2017年7月を振り返る―像の文字化と文字の像化を通じた論理能力向上に向けて(5/5)(08/02) 先日、南郷派の民間療法士が電子書籍を出…
山折哲(ペンネーム)@ Re:2017年7月を振り返る―像の文字化と文字の像化を通じた論理能力向上に向けて(5/5)(08/02) 人間も動物ですから、自律神経は動物とし…

フリーページ

サイド自由欄

ガラスの玉は、本物の真珠をきどるとき、はじめてニセモノとなる。

政治の分野であろうと学問の分野であろうと、革命的な仕事にたずさわる人たちは道のないところを進んでいく。時にはほこりだらけや泥だらけの野原を横切り、あるいは沼地や密林をとおりぬけていく。あやまった方向へ行きかけて仲間に注意されることもあれば、つまずいて倒れたために傷をこしらえることもあろう。これらは大なり小なり、誰もがさけられないことである。真の革命家はそれをすこしも恐れなかった。われわれも恐れてはならない。ほこりだらけになったり、靴をよごしたり、傷を受けたりすることをいやがる者は、道に志すのをやめるがよい。

孤独を恐れ孤独を拒否してはならない。名誉ある孤独、誇るべき孤独のなかでたたかうとき、そこに訪れてくる味方との間にこそ、もっとも深くもっともかたいむすびつきと協力が生まれるであろう。また、一時の孤独をもおそれず、孤独の苦しみに耐える力を与えてくれるものは、自分のとらえたものが深い真実でありこの真実が万人のために奉仕するという確信であり、さらにこの真実を受けとって自分の正しさを理解し自分の味方になってくれる人間がかならずあらわれるにちがいないという確信である。

© Rakuten Group, Inc.