町田氏は「周知」という表現について、「「広く知られている」という意味」だとして、「広く伝えるということなら、知られているのではなくて知らせるのだから、「する」ではなく「させる」を使って「周知させる」と言わなければならない」と主張する。さらに、「周知させる主体」は「機関や組織が普通」だとして、「経験を知らせるのは個人であり、周知させる主体になりにくい」から、「「経験を広く伝える」ぐらいにした方がよい」と結論する。
コトバンクには、「世間一般に広く知れ渡っていること。また、広く知らせること。」とあり、前段の意味で用いれば確かに「周知させる」のように言う必要があるが、後段の意味で用いるのであれば、「周知する」でも問題ない。私は後者を用いると思うが、どちらでもよいというのが現代の言語規範だと思われる。
「経験を知らせるのは個人であり、周知させる主体になりにくい」というのも条件次第で、「経験」は個人に限らず、組織としての経験というものもある。また、個人が主体となって、自らの経験を広く知られている状態にさせるために活動することもある。町田氏の主張は、こじつけのためのものに思えてならない。
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最終更新日
2014年03月26日 12時56分45秒
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