言葉にならない想い伝えたい その1
私の母が、半身不随となり、その翌年弟がリストラを機に実家に戻り、その2階にひきこもるようになりました。今から20年前のことになります。その頃の私は、子育てサークルを通して、子育て支援の真っ最中。娘二人が、アトピー、喘息を発症したがゆえに、母乳育児をはじめ、自然流育児を勉強するようになりました。そうして、感じ始めたのが平成の子どもたちを取りまく環境の危うさです。このままでは、不登校、引きこもりがもっと増えるだろう・・・と予感して、引きこもり支援をすることを決めたのが2001年。そうして、ふたをあけてみたら、実際に増えてたのが不登校と発達障害といわれる子どもたちでした。子育てサロンで活動していた私の姿に影響を受けて、「保育士になる」と決めた娘もとうとうこの春から保育園に務めるようになりました。その娘と1歳児の話をしながら、「どうして、私は今高校生と向き合っているのだろう?」と不思議な気がしています。なにしろ、得意なのが、まだもの言わぬ子どもたちとの交流だったからです。けれども、最初に伸楽ひふみ学園で、自閉症といわれる生徒に出会ったとき、物言わぬ小さな子と同じ接し方でよいのだと気づかされました。必要なのは、専門的な知識ではなく、言葉にならないところで、どうコミュニケーションをとるか、だったのです。(Photo by 金沢写真サロン)