カテゴリ:書評
今では日本一有名になった動物園、旭山動物園のその秘密を園長自らが明らかにしてくれる書、「〈旭山動物園〉革命」(小菅正夫:角川書店/2006)はぜひ一読していただきたい本だ。その中で著者は冒頭に、旭山動物園の特徴でもある考えを披露している。【私たちは、動物それぞれの能力を発揮できる行動展示を行うことで、動物がイキイキすることを、飼育する中で確認してきた。(中略)また、イキイキする動物をみることで、人間の側も嬉しくなり、元気になることも、入園者の声を聞いたり、表情を見ていてわかった。(中略)動物も人間も、「自分らしさ」を発揮できる環境はなにものにも替え難いということである】(【】内は引用)
まさに、動物たちが「動物らしく」展示されているからこそ、旭山動物園に多くの人たちが訪れるのだろう。この「動物」らしさを如何に実現させて行ったか、私たちの多くが知らないと思われる動物園の新しい役割など、日本一の動物園の園長自身がやさしく紹介してくれている。まだ旭山動物園に訪れておられないなら、この書を読んでから動物たちに会いに行ってもいいだろう。 ところで、この「自分らしさ」、人間のこどもたちには今最も大切なことではないだろうか。「こどもらしさ」を求めようとはしない一部のおとなたち、ともすれば一部のこどもたちは自らすすんで「こどもらしさ」を捨て去ろうとしているように思える。そして、それはこどもたちの「あそび」に集約されていないだろうか。ふと、そんな思いも過ぎった書でもあった。 エッセイは、次のページでいろいろ掲載しています。 遊邑エッセイ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.03.08 18:58:41
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