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中原よ。
地球は冬で寒くて暗い。 ぢや。 さよなら。 (「空間」草野心平) 中原中也記念館 特別企画展 『歴程』と中原中也 に行ってきた。『歴程』は草野心平や逸見猶吉らが中心となって創刊された詩の同人誌だ。中也は草野心平と知己であったことから、この同人誌に本人が言うところの「イヤイヤ」加わり、だが「北の海」や「はるかぜ」など、『在りし日の歌』にも収められる主要な詩を発表した。 今回の展示は中也の詩作にとどまらず、中也と心平の「蛙」を題材とした詩の比較や、物故同人として名を連ねた宮沢賢治と『歴程』の関係。中也が詩作を始めるきっかけとなったとされる高橋新吉、これらの詩人達に比べて有名ではない逸見猶吉や岡崎清一郎など『歴程』にかかわった人物に等しくライトをあてて丁寧に紹介している。 中でも印象に残ったのは草野心平の書、二点。特に、先に挙げた亡くなった中也への献詩を自書したものは見応えがあった。また心平直筆の原稿が多数展示されていて、有名な「冬眠」(●)や、「生殖 1」などを見ることができた。(この展示はいわき市立草野心平記念文学館・仙台文学館と3館合同の企画展だそうで、なかなか見られない資料などが豊富にみることができた。)草野心平は教科書などでよく目にして、「蛙」の詩の印象があるけれど、中也にも蛙の詩があったことに驚いた。中也の蛙詩の印象は芥川龍之介の『河童』に近く、(仏語を使用しているせいもあると思うが)、得体がしれず不気味だけど、どこか滑稽な雰囲気をもっていた。 この後にいったのが 山口情報芸術センター、通称YCAM(わいかむ)。出来てから五年経つみたいだが、行ったのは初めて。同行した弟のリクエストで行ったのだけど、最先端のメディアアートを中心に展示しているらしい。坂本龍一もなんかしにきてた。今やっているのは「大友良英 / ENSEMBLES」展。詳しい人には垂涎の作品展だったらしい。詳しいことは詳しい人に聞いてください。 こんなにでかい箱つくってコアな内容の美術館が山口でやっていけるのか心配になるけど、山口市立図書館が併設されているということで、相互に人の流れがあるみたいで、結構やっていけてるのかもしれない。正直大友さんの作品よりは蔵書の方が気になったけど、建物は面白かったです。建物の壁面に映画を投影して、星空映画鑑賞会なども企画されている模様。また行ってみます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.09.04 22:47:43
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