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カテゴリ:広島東洋カープ
『加藤拓也』
それでは今回はドラフト1巡目指名を受けた慶応大学の加藤拓也投手を見ていきたいと思います。 175センチと小柄ながらも153キロの直球にスライダーとフォークを投げる力投派タイプの投手で、今年の秋のリーグではノーヒットノーランや通算300奪三振を達成するなど実績も十分の投手です。 動画で投球フォームを確認すると、やはりサファテに似たような投球フォームだと改めて感じます^^;。 かなり力感のあるフォームに豪速球を駆使したパワーピッチを得意とする投手ならばやはりリリーフタイプの投手なのかなと感じさせます。 次に成績を見ていきますと、下級生の頃から主戦投手として投げ続けており、今年のシーズンも獅子奮迅の働きを見せ、最後の秋季リーグでは中1日で早稲田大学戦に先発して完封勝利を飾るなど結果を残し、球数も東京六大学投手ダントツの994球を投げるなどかなりのタフネス投手であることを感じさせます(ノーヒットノーランの登板で151キロを計測)。 あのガッチリとした屈強の体格は見かけだけではないことを感じさせるところですが、それは逆に言えば酷使気味で疲労蓄積の懸念があり、仮に一年目からリリーフで起用するのならば少し配慮が必要ではないかと思います。 心配な点としては春季キャンプで飛ばし過ぎないかという点、開幕一軍は意識せずにまずは肩の疲労をしっかりと取って疲労を抜いた方が良いかもしれません。 肝心のK/BBは通算309奪三振/153四死球で2.02と一年目から活躍するには大学生投手ならば4.00を記録してほしいですが、それを下回っています。 今年の春のK/BBは2.23、秋のK/BBは2.31と低く、現状では即戦力として見るには苦しい印象がぬぐえないかなと感じます。 その原因となっているのは制球面、通算の与四死球率は4.12とこれは制球難の範疇に入っているので課題がはっきりとしています。 ちなみに今年の春の与四死球率は3.44、4.57と制球力の改善はできておらず、プロで活躍するには制球力の改善が大きな要素となってきそうです。 ちなみに奪三振率は今年の秋は10.57と高くなっており、先発起用が多い中で8.32と非常に高い奪三振率を記録しており、三振を奪えるタイプの投手であることが分かります。 現状は即戦力として見るのは少々苦しいかなと思いますが、仮にリリーフで起用する場合はひょっとすると日本に来て躍動する外国人投手のような展開が期待できるかもしれません。 以前に何回も書いていることですが、サファテやミコライオ、巨人のマシソンや中日に在籍していたソーサらはアメリカで与四死球率が芳しくなかった(ミコライオに至っては4.97と加藤よりも酷い有様でした)のですが、日本に来た途端に良好な数字になり、制球力が改善しました。 これは制球力が改善したというよりは球威満点の直球を武器にじゃんじゃんストライクゾーンに投げ込んで日本人打者を力で押していくことによって四球も出さずに済むようになっているのです。 ただし、もちろん全員が全員当てはまるわけではなく、過去に広島に在籍していたヒースやヤクルトに在籍していた制球難以上のノーコンだったカーペンターらは当てはまりませんでした。 しかしながら先発で常時145キロ前後を叩き出せる加藤ならば十二分にこの法則に当て嵌まる可能性は残っています。 幸い通算被安打率は5.73とかなり低く、今年の秋は4.57と先発中心の起用の中でこの被安打率は相当優秀であり、奪三振率も非常に高い点も加味すると、リリーフならば現状の投球スタイルで活躍できる下地は整っているのではないでしょうか。 先発ならば制球難も相まってプロで力押しの投球は厳しいのではないかと思いますが、リリーフならば十分に力押しの投球が期待できるのではないかという期待感を持てます。 しかしながら上記に書いた通り、タフネスという頼もしい一面はありますが登板過多となっており、あまり一年目からフル回転させると短命に終わってしまう危険性があるだけに、そこは見極めながらの起用ということになりそうです。 リリーフで起用していくのならばまずは現状の力押しの投球を展開しつつも徐々に制球力を改善していくことが必須です(上の投球は制球力改善の根本的な解決にはなりません。現に全員突如制球を乱す傾向が多い)。 クローザーの中崎と共にガタイの良いコンビとして活躍することを楽しみにしたいと思います。 選手評価:C(日本人で球威満点の投球が期待できるか?) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.11.02 23:17:53
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