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カテゴリ:広島東洋カープ
『安部友裕』
それでは今回は広島の打者のbatted ballや打撃内容を見ていきたいと思います。 2回目はプロ入り初の規定打席に到達と同時に3割を達成した安部を見ていきたいと思います。 今季は三塁のレギュラーを掴み、徐々に左投手相手にもスタメン起用の機会が増え、特に首位攻防戦の阪神戦でその打棒を爆発させてドリスから逆転サヨナラ本塁打、タイムリーヒットなど大暴れを見せて優勝を大きく手繰りよせる大仕事をやってのけました。 今季の打撃成績は打率.310、4本塁打49打点、OPSは.754を記録していますが、盗塁数も多く記録しており、22回中17盗塁を決めて成功率は77.3%とまずまず高い成功率を保持しています。 まずIsoPですが.090と.100を切っており、昨季の.147と比べると長打の割合は減らしてしまっており、中距離打者の範疇ではなくなりました。 単純計算の長打%は昨季31%に対して今季は19.5%となっており、一発のみ減ったというわけではなさそうです。 続いてミート力ですが、413打数/94三振で4.39と昨季(4.05)に比べると引き上がってはいますが、依然としてやや低いという数字となっています。 また、選球眼(BB/K)は.290と昨季(.300)と比べると更に下がっており、打率3割を記録しましたが打撃内容は正直あまり良いとは言えない数字が並んでいます。 それではbatted ballですが、163GB:104FB:33LD:16IFFB:4HRとなっており、今季はGB%が増えて飛球が減少しており、GBが全体の50%以上を占める結果となっています。 打球別打率はGB打率が.374、FB打率(HRなし)が.300、LD打率が.788といずれの打球も高めの打率がとなっています。 その中でも異常なのがGB打率の.374、この数字は明らかに異常過ぎる程高く(内野安打/GB数は23%と内野安打以外の抜けた打球が77%は明らかに高い)、来季はさすがにこのような高い数字を残せるかと言われると、少々疑問符が付くところです。 現に菊池も昨季のGB打率(.322)が高めの数字が出ていて運が良かった傾向があり、今季(.266)は同じような数字が出なかっただけに、安部にも同じ懸念が生まれそうです。 しかしながら内野安打率が11%と昨季(6.8%)と同様に高くなっており、内野安打はある程度稼げる打者ではないでしょうか。 BABIPは.378と昨季(.345)よりも更に高い数字となっています。 最後に打球方向別打率ですが、レフト方向へは.190で0本塁打、センター方向へは.270、0本塁打、ライト方向へは.655、4本塁打とかなり高い数字となっており、昨季と変わらずにプルヒッターの傾向が強いです。 ただ今年のような打撃ならばもう少し逆方向へも打てるようになりたいところで、せめて田中のように最低でも2割には乗せて欲しいところです。 通常左打者ならば当然ライト方向への打率は高くなり、流し打ちとなる分レフト方向への打率は低くなるのは当然ですが、それを差し引いてもパワーのある打者ならばともかく、安部のようなタイプはこの数字だと少し寂しいきらいがあります。 打率3割を記録して順風満帆のシーズンを送りましたが、打撃内容を見る限りでは大きく改善されたという部分はあまり見受けられず、改善箇所も多く残っているだけに、同じままだと来季は大きく打率を下げてしまう危険性がありそうです。 守備面では飛躍的な向上が見られただけに、来季は打撃でも内容も向上させて確固たるものにしたいところですね。
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最終更新日
2017.11.21 23:33:32
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