QE2でノロウイルス集団感染 300人以上発症
2007.01.25
Web posted at: 17:32 JST
- CNN/AP
米カリフォルニア州サンフランシスコ──豪華客船クイーン・エリザベス2世号(QE2)の乗員28人と乗客276人が、ノロウイルスによる感染性胃腸炎を発症していたことが明らかになった。医療関係者らは、異例の感染規模だとの見解を示している。
QE2は8日に米ニューヨークを出港し、106日間にわたる世界一周クルーズの第1区間を航海中。米疾病対策予防センター(CDC)の報告によると、乗員乗客はQE2がサンフランシスコに入港した24日までに発症した。ただ、24日に依然症状を示していたのは乗客4人のみだった。
CDCが19日、メキシコ・アカプルコでQE2の船内調査を行ったところ、カジノで使用するチップの消毒や、セルフサービス式ビュッフェを中止するなど、乗員が緊急対策を実施していたことが判明した。「多くの感染者が出たなかで感染拡大を抑制した」と、QE2の対応は高く評価されている。
QE2の乗客1652人のうち、ノロウイルスに感染した乗客の割合は17%近くと高い。昨年12月にノロウイルス集団感染が発生した世界最大のクルーズ船、ロイヤル・カリビアンズ・フリーダム・オブ・ザ・シーの場合、乗客3823人のうち感染者は9%にとどまった。
QE2の運航会社キュナード・ラインは、ノロウイルスの影響によるチケットのキャンセルは今のところ出ていないとしている。