鳥インフルエンザのウイルスを米企業に提供へ インドネシア
2007.02.07
Web posted at: 21:09 JST
- CNN/AP
ジャカルタ──インドネシアのスパリ保健相は7日、米製薬大手バクスターと、鳥インフルエンザの人間用ワクチンの開発に向け、高病原性鳥インフルエンザのウイルスを提供することで基本合意に達した、と発表した。インドネシアが研究用のウイルスを提供する代わりに、同社から優先的なワクチンの供給を受ける内容。
インドネシアはこの基本契約に先立ち、知的財産権を理由に、高病原性H5N1型ウイルスを国外の研究機関に提供しないことを決めている。
知的財産権を理由にした検体提供の拒否について、スパリ保健相は、インドネシアが鳥インフルエンザに関する研究を妨害しているわけではないと主張。国外の研究機関は、インドネシアが提供するウイルスを研究目的のみに使用し、商業的には利用しないことを、同国と最初に約束してもらいたい、と話している。
また、この方針について、バクスターは関与していないとしている。
インドネシアを初めとする経済発展途上国は、各国が提供した検体を研究した製薬各社が薬剤を開発しても、高価なため十分に購入できないとの懸念を示している。
スパリ保健相はこの点を「不公平だ」と指摘。「小国は、いつも不利に扱われる。和が国を、そのように扱ってもらいたくはない」と述べ、国外研究機関への検体提供時には、商業的利用を行わないという取り決めについて、理解を求めている。
インドネシアでは鳥インフルエンザ対策が遅れており、世界保健機関(WHO)によれば2月3日現在の死者数は、世界最多の63人に達している。